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SF的ネタ

mixiのあるコミュで、こういう質問がありました。

地球を改造して、宇宙船にすることは出来るんですか?


出来るとすれば、どういう仕組みで出来るのか。出来ないとすれば、なぜ出来ないのか。ちょっと考えてみて下さい。自分なりの答えはありますけど、コメント大歓迎です。

テーマ : 物理学
ジャンル : 学問・文化・芸術

ダークマター、進展?

去年の末に、CDMSというダークマター(暗黒物質)を検出しようとする実験の結果が発表されました。

その時のブログ記事は、この辺
世紀の大発見?←結果についての話。

結果の話に到るまでの予備知識(結構長いですねぇ。でも噛み砕いてありますから時間のある時にどうぞ)
足りない物質~その1
足りない物質~その2
足りない物質~その3
ダークマターへの3つの道
WIMP
CDMS
WIMPの資格

結論としては、ダークマターが実験装置と衝突したのが、2回検出されたかもしれない、という事でした。かもしれない、というのは、検出された衝突は、どちらもダークマターとは関係なく、もう知られている物質との衝突かも知れない、という事です。

これがもしダークマターだったとしても、CDMSという実験は、ギリギリ検知できるか出来ないか、というレベルの実験だったわけです。


CDMS以外にも、ダークマターを発見しようという実験がいくつか行われています。今週になってその1つ、XENON100が、最初の結果を発表したんですね。

XENON100は、ダークマター探知機として100kgのキセノンを使う実験。名前の由来は…そのまんま(笑)


キセノンのように液体を使った実験が、CDMSのように超伝導体を使う実験と比べて有利なのは、体積をどんどん増やして、ダークマターがぶつかるためのターゲットを大きく出来ること。すでに、1トンクラスのキセノン探知機を使った実験が、日本でもうすぐ始まる予定です(XMASS実験)。

100kgでギリギリまで迫った場合には、1トンあれば確実にダークマターが探知出来るはず、というわけ。


とにかく、XENON100が今回発表したのは、去年の10~11月に行われた、延べ11日間のテストランの結果。そしてこの11日間では、ダークマターの衝突だと思われるイベントは無かったそうです。

ガッカリしそうなところですが、これはまだテストラン。これを今発表する理由は、ダークマター以外の物が装置にぶつかっても、ダークマターと間違うことはないよ、というのを宣伝するためです。今後XENON100が、ダークマターを発見した、と発表する事があれば、それは信憑性がかなり高いわけです。


XENON100がどうやってダークマターを検知するつもりなのか、など今後書くかもしれません。自分的には、CDMSより分かりやすいです。

この話については、New York Timesに記事がありました。

論文はこちら

テーマ : 自然科学
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チュー長官

来月、セントルイスの母校を訪れるんですが、エネルギー省のスティーブン・チュー長官の話が聞けるみたいです。

97年にノーベル賞を受賞した物理学者で、オバマの声が掛かる前はバークリーにあるローレンス・バークリー国立研究所の所長でした。

という事は、自分がバークリーに来るちょうど半年前にバークリーからいなくなった人なんで、話が聞けてラッキーな感じです。


ノーベル賞を受賞した研究は、レーザー冷却。レーザーを使って原子の運動を遅くして、結局は1つの場所に固定(トラップ)する方法を編み出した人の1人だったんですね。

チューが初めて原子をトラップした時の話。

"I told my boss .... `Guess what? I just trapped an atom.' He said, `Great. What are you going to do with it?' I said, `I don't know, but it's great!'"

訳:
チュー「ちょっと聞いてよ。1個の原子をトラップしたんだよ」

ボス「やったな。で、それをどうするんだ?」

チュー「わかんない。でもスゴイんだよ!」

テーマ : 物理学
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ビジュアリゼーション

数学が苦手/嫌いだから物理も苦手/嫌い、と言っている人は結構いるんですが、物理が苦手な人には、実は数学以外の所でつまずいている人の方が多いように思うんですね。それはなにかというと、物理の問題を、頭の中に思い浮かべて視覚化する事です。

まぁ、数学でも大事な事なんですが、これが必要のない数学の分野もあるので。


例えば、なぜ四季があるのか、という質問の答えを一言でいうと、地球の自転軸が傾いているから、です。(まぁ、これは物理と言うか天文学だけど…思いついた中で一番わかり易い例だったので)

これが質問の答えとして理解出来るためには、太陽の周りを公転しながら、同時にコマのように自転する地球を思い浮かべた上で、地球のどの部分に太陽が当たっているのか、というのを頭の中にイメージしないといけません

これを言葉で聞いただけではイメージするのが難しい、という人は、普通の物理の授業でこういう風な話を聞いてもワケが分からず、物理に苦手意識を持ってしまうわけ。教科書にイラストがあっても、立体的な関係がわかりにくかったりします。


そんな事にならないようにするには、ローテクなやり方だと模型を作って見せる方法があります。3次元のイメージを持たせたいのだから、3次元のモノを見せればいい。当たり前の話です。

今のご時世、わざわざ模型を作ってクラスに運び込まなくても、コンピュータを使って簡単に色々な画像、動画が作れますし、生徒1人1人が好きなように模型をいじれるようなインタラクティブな教材を作ることも出来ます。


苦手意識を持たれてしまうと、普通に教えるだけでも大変なのに、それ以上に労力が必要になってしまうんですよね。入門レベルでは、分かりやすさを目指す授業、板書するだけではない授業をどんどん試してもらいたいものです。

↓英語ですが、なぜ四季があるのか。

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続・物理と数学

前回の続き。

今度は、別に研究したり、大学で専攻するわけでもないけれど、物理学ってちょっと気になるな、と言う人は、数学が出来ないとダメかどうか、って話。

これは、当然、出来た方が良いのは間違いないんですが、数学が出来なくても良い、とあえて言いたいです。そう思ってなければ、物理のいろんな話を、一般向けのブログでやろうとは思いませんしね。


物理に限らず、科学全般に言えることで、大事なのは、いろいろな現象を説明する事なんですね。物理を理解する、と言うのは、公式に当てはめて計算が出来る事ではなくて、なぜその公式が成り立つのか、その原理を知る事です。


例を挙げた方がいいですね。

相対性理論によると、光速に近い速さで動いているものは、前から後ろへの長さが縮んで(ローレンツ収縮)、その物が感じる時間の流れが遅くなります。これは、ローレンツ変換という数学的な操作をすればすぐに分かります。

ですが、そもそもローレンツ変換がどういう前提から出てきたかというと、それは光の速度が一定だという原理からです。この原理から考え始めて、アインシュタインが好きだった思考実験をすれば、長さが縮む事、時間が遅れる事は分かるんですね。

もちろん、数式を使わないと、どれくらい長さが縮んで、どれくらい時間が遅れるのか、というのは分かりません。でも、実験をやって検証するわけでもないのなら、大まかな事情が分かればいいわけです。定量的ではなく、定性的な理解ができればいいと言うことです。


ただ、いくらか数学の知識がないと、ちゃんとした理解は出来ないだろうな、と思うものもあります。

量子力学で、物理系の状態がベクトルで表されて、2つの状態を足し合わせたり出来る事などは、ベクトルに付いて深い理解がないと、本当の意味が分からないものだと思います。シュレディンガーの猫は、2つの状態を重ね合わせた状態が、いかに人間の直感に反しているのかを示す思考実験です。


思考実験をすれば分かるはずの概念と、ちゃんと数式で理解できないと本当の理解が出来ない概念、と2つに分類できるわけではなくて、大体のものは中間に入ります。

座標変換について説明していると、あぁ、数学をやっていない人はこういう考え方をしないんだな、と毎度思わされます。言葉で説明は出来るんですが、どうも伝わりきらないんです。

エントロピーなどは、数式無しで、それなりに説明できたんじゃないかと思っていますが、どうでしょう?(リンク。伝わらない部分があったらコメントお願いします)でも熱力学の第2法則がどれだけ強力なものなのかは、数学、特に組合せ論が分かって初めて分かるものだと思います。


今は言葉だけで説明できないものでも、絶対に出来ない、とは言えないわけで。数式では捉えている、という人が、言葉で伝えられるよう努力するのは大事な事です。数学的に記号を動かしまわしたら公式が出てきた、というだけでは、物理の概念を理解したとは言えないからです。

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物理と数学

昨日発せられた、うちの彼女の素朴な疑問。(もう1つあったんですが、これはまたの機会に)

数学が出来ないと、物理は出来ないのか?

結構深い疑問です。


まず最初に、物理学者になる、物理の研究をする人について。

この場合、ある程度数学が出来ることは必要不可欠です。


物理と数学の歴史を見ると、物理の問題がきっかけとなって、数学に進展があった、と言うケースがいくつかあります。

一番メジャーなところで言うと、ニュートンの微積分。

物体の、時間ごとの位置が分かっている場合、その速度はいくらなのか(微分)。時間ごとの速度が分かっている場合、その位置はどこなのか(積分)。力学の問題で必要になったから、数学の道具を編み出した、と言うわけです。


逆に、数学者が、数学的に面白いな、と思って勝手に考え出したものが、物理学で役に立ったりもします。

これの例は群論。これは、元はと言えば、方程式に解があるのかどうかを判断するために考え出された数学の分野でした。それが発展するにつれて、対称性を表すために有用な道具だと分かったんですね。

物理学に群論が使われるようになったのは、20世紀に入ってから。現代物理では、物理法則にどういった対称性があるのか、というのは最重要と言っていいトピックで、特に理論物理をやろうとするなら、ある程度の知識が必要になります。


なんにしろ、理論物理学の研究をするには、数学的な素養が必要となるのは間違いありません。

実験屋さんの場合は、群論などの高等数学の知識は恐らくあまり必要ないでしょう。実験をする人にとって重要なのは多分、大まかな計算が出来る能力。どういった実験に見込みがあるのか、どういった結果が期待出来るのかを考えていないといけませんから。(数学の力というよりは、数字の力、ですね)


というわけで、物理で大学院に入るような人は、全員と言っていいほど数学はそれなりに出来ます。


じゃあ、そもそもなんで物理に数学が使われるかと言うと、1つの理由としては、物理学の実験では不確定要素が少なく、現象を再現しやすいんですね。

エネルギーは何をどうやっても保存されるし、地球の重力の強さは地球の中心からの距離に反比例する。物理学で法則があるとなると、適用範囲の中では100%成立するといって良いようなものなんです。という事は、出来るだけ厳密に、体系的に理論を組み立てたい。そのためには数学が一番有用な道具になるわけです。


これが例えば生物学だったりすると、不確定要素が多く、厳密に守られる法則というのはほとんどありません。人間と一言で言っても1人1人には大きな差があって、同じ実験をしても全然違う反応をしたりします。つまりこれは、生物学を数学で記述しようとしても、ほとんど出来ない、という事。


言い換えると、物理学に数学が使われるのは、物理学が簡単だから。これは冗談じゃなく、本気です。

物理学者の研究対象と言うのは、原子1個だとか、2個だとか、単純なものがほとんどなんです。沢山の要素を含んでいるものを研究する時も、単純な構造を持った結晶や、分子の間に力が働かない気体など、数学的に扱い易いものなんですね。

生物学の例で続けると、生き物を構成している原子の数を数えると20何桁もある数字になります。これを厳密に数学で記述する、と言うのは無謀な試みになるわけです。

物理学者が数学を使うのは、数学が使えるから、なんです。


じゃあ、研究するわけではなく、ただ知識として物理を知りたい、という人の場合はどうなんでしょう?

これは次回に続く…

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time sensitive

月曜から新しい研究テーマに取り組んでます。うちの教授がずっと暖めてたアイディアなんですが、他にも同じようなアプローチで研究を進めている人がいるので、出来るだけ早めに結果を出したいんだとか。

で、その似た研究をしている人って言うのが、転校前の大学の教授なんですねぇ(笑)つまりうちの教授にとっては元同僚で、自分も授業を受けた事があります。

その教授と競争。ちょっと変な気分です。

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前回の答え

前回書いた問題。コメントがないんですが、考えてくれたと勝手に決め付けて答えを書きます。

一応、ネタバレ防止のために、↓「続きを読む」をクリックした後に。

続きを読む

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三日月の謎

今日は問題。


ちょうど日が沈む頃に三日月を見ると、月の、太陽に照らされていない部分も見えます。

空とは違った色(灰色)の月が見えるんですね。


もし月の日が当たっていない部分から、光が全く来ていないとすると、そこは空の色に見えるはず。実際問題として、その部分が空の色とは違って見えるという事は、日が当たっていない部分からも、月から地球へ光が届いている事になります。


問題は、どうやって、日が当たっていない場所からも光が届いているのか?


ヒントは、↓の部分をハイライトして見てください。

月から見る夜空を想像してみてください。

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物理の歴史

保留になっている原子核合成の話、考えれば考えるほど、一般向けに説明出来る自信がなくなってきたんで、ちょっと良い方法を思いつくまではやめておきますね。


先週末、サンフランシスコの紀伊国屋に行ってみたんですね。見かけたのがこんな本。

物理学天才列伝 上 (ブルーバックス)物理学天才列伝 上 (ブルーバックス)
(2009/12/22)
ウィリアム・H・クロッパー

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物理学天才列伝 下 (ブルーバックス)物理学天才列伝 下 (ブルーバックス)
(2009/12/22)
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中身はほとんど見なかったんですが、裏表紙に、出てくる物理学者の名前が列記されたのをメモってきました。

上巻
1.力学 ガリレオ、ニュートン
2.熱力学 カルノー、マイヤー、ジュール、ヘルムホルツ、トムソン、クラウジウス、ギブス、ネルンスト
3.電磁気学 ファラデー、マックスウェル
4.統計力学 ボルツマン
5.相対性理論 アインシュタイン

下巻
1.量子力学 プランク、ボーア、パウリ、ハイゼンベルク、シュレディンガー、ド・ブロイ
2.原子核物理 キュリー、ラザフォード、マイトナー、フェルミ
3.素粒子物理 ディラック、ファインマン、ゲルマン
4.天体物理 ハッブル、チャンドラセカール、ホーキング

大体のところは納得の行くメンバーです。当然、このリストに載ってない人の話も出てくるはずなんですが、それを承知でイチャモンを付けるとすると…


まず、ニュートンの力学の指針になったはずの、ケプラーは入れて良いんじゃないかな、と。そしてニュートンのあとに、力学の表記法を改良したラグランジュ、ハミルトンも。この改良が無かったら、20世紀の物理の進歩は相当遅れたはずです。

熱力学の歴史は、正直良く知らないんですよねぇ。出てくる名前だけから、業績を思い浮かべられない人がいます。なのでノーコメント(苦笑)

電磁気学、統計力学、相対性理論は、このままでも文句無し。


量子力学は、このメンツを眺めると、ド・ブロイがどうしても他の人達の2段、3段下にいるんですよね。他の5人にアインシュタインとディラックを加えたのが、量子力学を作り上げた天才7人。

核物理は、出ている4人は文句無しなんですが、ベーテも入れて欲しかった。ガモフも入れても良いかな。この2人は、天文物理にもカウント出来ます。

素粒子物理は、ワインバーグも入れて良さそう。

天体物理は、ホーキングを入れて良いのかなぁ?もちろん有名で、ストーリー的にも良いんだけど、実在の天体に関わる重要な業績がどれくらいあるかと言うと、微妙な気がします。宇宙の膨張を理論化したフリードマンとルメートルなんかは入れても良さそう。


…うーん、すでに物理の歴史にちょっと詳しい人じゃないと、何のことやら、なブログでした。

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プロフィール

アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

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