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ハッブル20周年

ビジュアリゼーションといえば…

ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ20周年です。

英語ですが、ビデオ↓
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8638263.stm

テーマ : 天文学
ジャンル : 学問・文化・芸術

軽さ

タイトル通り軽い話です...多分。


囲碁用語に、石の重さ、軽さ、というのがあります。

重い石、と言うのは、取られると大きなダメージを受けてしまうので、取られないように頑張らないといけない石。

軽い石、と言うのは、取られても大きな損はなく、捨ててもいい石。


強い人の対局を見ると、この局面は放っておいて良いのかな、と自分のような弱い人が思うような場所を無視して、他の場所に手を打つ事が多々あります。シロート目に見ると取られそうな石を、放っておいたりするんですね。

でもこれは、取られても損をしない石、軽い石があると言う事。強い人は、相手がその石を取ろうとするとどういう事になるのかをちゃんと読み切って、あぁ、大した事無いな、と判断して他の局面に向かっているわけ。隙があるようで、無い打ち方なわけです。

出来る事ならば、軽い石を打てるようになりたいわけですが、この判断が出来るようになるまでが難しいんですね。


この石の軽さについて考えていて、これは良い音楽にも通じるところがあるな、と思いました。

隙があるようで、実は無い。力を抜いているように見えて、実は全然抜いてない。こんな感じです。



フェラ・クティと共にアフロビートというジャンルを作り上げたドラマー、トニー・アレン、69歳です。


囲碁と音楽に限らず、人間としてこういうのが理想じゃないでしょうか。大げさですが(笑)

テーマ : 日記
ジャンル : 日記

分野

最近、言語学専攻の人とよく会います。昨日は、その会った中の1人がやっている言語学の実験に付き合って、報酬としてビールをおごってもらったんですが(笑)分野ごとに色々悩みが違うんですよね、やっぱり。


初対面の人に専攻が何か聞かれて、物理学と答えた時。一番困るリアクションは、いかにも嫌そうな顔をされる場合(笑)最初からダメ、ってなると話の進めようがないですからねぇ。

...いや、これは困るというか、残念なリアクションか。他の話をすれば良いわけで、困る事はないです。

困るのは、「頭良いんだね~」というようなリアクション。これって、どう答えればいいんでしょうかね。軽く受け流すしかないのかな。無理してジョークにすると、嫌味っぽくなりかねないし...


「専攻はなに?」「言語学」といった場合には、ほぼ確実に「何ヶ国語話せるの?」と返ってくるらしいです。(少なくともアメリカでは)

語学、と、言語学、は別なんですよね。言語学は、文法や、言語に使われる音の構造、言語を使う脳の機能だとかを研究する学問。

もちろん、言語学を勉強するに当たって、色んな言語を知っている事は損にはなりません。でも、母国語だけしか話せない言語学者もいるようです。言語学の中の大体の分野では、流暢に多ヶ国語を使いこなせる必要はないとの事。


他にもこういう話は聞きますね。経済学者だというと、株価の話を振られたり(これは本当にあるのかな?)。数学者も大変そうです。


大変は大変なんですが、こういう時のために、自分のやっている事を簡潔にまとめて説明できるようにしておくのは、いい事です。僕の場合だと、すでに似たような研究をしている人、同じ物理学でも違う分野の人、その他サイエンス系の人、予備知識のほとんどない人、の4種類の相手に対して別々の説明を用意しておくべきかな、と。

今後一緒に働くかもしれない人や、自分の研究を応用してくれるかもしれない人に対してちゃんと説明出来るのが良い事なのは間違いないです。逆に、予備知識の薄い人に対してちゃんと説明するためには、自分の研究がなぜ重要なのか、面白いのか、というのを出来るだけ専門用語を使わないで伝えられないといけません。これは、研究の背景にある根本的なアイディアをちゃんと理解できていないと出来ないはずなんですね。自分の研究を理解するための手助けになるわけです。

大学院にいると、研究者ばっかりと話してるんですが、研究職ではない人が、なにをしているのか聞かれて、どういう風に答えるのか、というのにもちょっと興味があります。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

同じ誕生日

Facebookというまぁ、mixiのようなmixiのようじゃないようなサイトがあるんですが、今のところ、120人ほど自分の友達が登録してあります。先月のある日、そのうち3人の誕生日だったんですね。

高校の友達1人、大学から1人、大学院から1人で3人だったのが面白かったんですがそれはともかく。120人の人がいて、そのうち3人の誕生日が重なる、という確率はどれくらいあるんだろう、と考えてみたんです。


まずもっと簡単な問題から、2人の誕生日が重なる確率は、人間の直感がこういった確率を捉えるのに適していないという話に使われる、結構有名な問題です。

何人かの人をデタラメに集めた時には、そのうち誰か2人の誕生日が重なる確率を計算する事が出来ます。2人の時、この確率が365分の1なのはわかりますよね?人数を増やせば増やすほど、この確率は上がっていって、366人まで増えると、誰か2人が重ならないといけないので確率は100%になります。

では、何人集まった時に、その中で誰か2人の誕生日が重なる確率が50%を超えるでしょうか

直感で数字を書いてみてください。

(注)2月29日は問題を単純にするために無視。あと、誕生日の分布はフラットではないです。例えば、3月2日生まれの人の数と、9月20日生まれの人の数は微妙に違います。

続きを読む

テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

碁会所

というか、囲碁クラブに昨日行ってきました。

初めて実物の盤と石で打った事に(笑)やっぱり、感覚が全然違いますね。

コンピュータでやるのと違って、石がピッタリ揃って並んでいませんし、見る向きを変えると見た目も変わります。


今の自分は、大体日本の7級くらいの強さのようです。

18歳で7段(日本のアマ6段くらい)の子がいたのにはビックリしましたね。いや、そういう人もいるという事は認識していますけど、バークリーにいた事にビックリ。

3人との同時対局の相手をさせてもらって、9子のハンデをもらったんですが派手に負けました。

プロになれそうなくらいの強さですからね…負けるだけでも、自分には思いつかなかったような手が見られて勉強になります。5歳の時からやっているんだそうで。


アメリカでは、囲碁をやっている人の多くはバリバリの理数系の人達です。さらに、Nerdと言われるような、凝り性、オタク的なところを持った人が大半。

競技人口自体が少ないので、日本などにはかないませんが、囲碁はご老人のやるゲーム、と言う認識がある日本よりは、才能のある人を効率よく見つけやすい土壌かもしれません。

テーマ : ボードゲーム
ジャンル : ゲーム

ツタンカーメン

もう先々週になりますが、彼女と一緒に、サンフランシスコのデ・ヤング美術館に来ているツタンカーメン展を見に行きました。

数年前に一度アメリカに来て、その時はシカゴに見に行こうと思ったんですが都合が合わず断念。一度ロンドンに行ったのが、またアメリカに来たんですね。

有名なツタンカーメンのデスマスクなどは、エジプトの外に出す事が出来ないという事なんですが、それでもツタンカーメンの墓から発掘された遺品や、同じ第18王朝の王女の棺桶など、値が張るなりに色々と見られる展示でした。


西洋で使われているアルファベットは、エジプトの象形文字ヒエログリフが起源だとされています。漢字からひらがな、カタカナが生まれたように、表意文字が表音文字に変化したというのが面白いところ。

ヒエログリフを解読したのは、ジャン=フランソワ・シャンポリオン。彼は子供の頃からの語学の天才だったんですが、ギリシャ語とエジプト語が併記されたロゼッタストーンからヒエログリフの意味を明らかにしたのは、言語の習得というよりは暗号の解読。

そうやって解読した文字から、古代エジプトの民俗風習が詳しく分かるようになった、というのがさらに面白いです。


ヒエログリフによって記録されている時間の長さもすごいものです。

ツタンカーメンは、紀元前14世紀の王。ギザのピラミッドは紀元前27世紀なので、ツタンカーメンが生まれた時には、ピラミッドは古代遺跡だったわけ。時間の長さだけで比較すると、法隆寺のようなものです。(今までの1300年の方が、紀元前の1300年より大きな変化があったのは確かですが)


考古学の面白いのは、まず、生活して行くための色々な問題、パズルを工夫して解いた昔の人達がいて、そのパズルがどういうものだったのか、そして昔の人がどうやって解いたのかを、状況証拠から推理する考古学者がいる、つまり、2重のパズルになっているところだと思っています。だから個人的には、王家のきらびやかな装飾品、よりも、実際の生活がどういうものだったのか分かるものの方が興味があるんですね。

それでも、ツタンカーメンの場合は、墓が荒らされていなかった事だけでなく、パズルとしても価値のある部分があるようです。父のアメンホテプ4世が宗教改革を行って、国を大混乱に陥らせたところで、10歳に満たないツタンカーメンが即位したと。ツタンカーメンは、父の宗教を捨て、昔ながらの宗教に戻したんだとか。

実際のところ、どういった経緯でこのような判断がなされたのか、ツタンカーメン本人にどれだけの権限があったのか。想像の膨らむストーリーなのは確かです。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

利き手

今度は普通に利き手の話。

面白い記事がNew York Timesにあったので。

"It’s Not Political, but More Canadians Are Lefties"

野球のように、アイスホッケーにも右打ちと左打ちがあります。主にシュートするのが体の右からか、左からか、という区別。

スティックの先っぽも、この利き手に合わせて曲がってるんですが、なんと、カナダでは左打ちスティックの方が売れて、アメリカでは右打ちスティックの方が売れるんだとか。(記事のタイトルは、カナダの方が政策が左寄りとされるのにかけたダジャレ)


なんでカナダが左寄りで、アメリカが右寄りなのかは、自分にはどうしょうもない問題なので置いておくとして、気付く事が他にもあります。

右打ちと左打ちがほぼ五分五分だという事から分かるように、ホッケーの利き手は、ものを書いたりするような利き手とはあまり関係が無さそうだという事。十分練習すれば、どちらでも打てるようになれるようです。実際、左利きだけど、ホッケーは右打ち、という人が2人知り合いにいました。


野球の打撃も、スイッチヒッターなどがいるように、練習すれば反対側でも打てるようになるものですが、それでも右打ちの方が多いんです。(参考)野球よりホッケーの方が、利き手の反対側で打つのが簡単、という事でしょう。


テニスの場合、片手でフォアハンドを打つのが利き手。右利きの選手が、バックハンドを両手で打つモーションは、野球やホッケーの左打ちのモーションと似ています。それを思えば、野球とホッケーで、反対側の手で打つ事がそこまで難しくないのは不思議ではないです。

そのテニスだと、面白い例がトッププレイヤーで2人います。

1人は、ラファエル・ナダル。テニスは左打ちですが、彼は本来右利き。右利きだけど、左もそれなりに器用だという事に伯父トニ・ナダルが気付き、左打ちで練習させるようにしたそうです。

これは、左打ちの選手が少ない事から、相手に取っては見慣れないショットを打てる、というアドバンテージを見てのことでした。

逆のケースが、マリア・シャラポワ。彼女は両利き。ですが、父ユーリは、彼女を右打ちの選手に育てました。なんでそうしたのかは…謎です(笑)左利きの方が良かったのでは、と思います。

彼女は今でも、バックハンドに追いつけない時に苦し紛れに左手のフォアハンドを打つ事があります。


サッカーの利き足なども、練習すれば両利きに近づけることは可能ですが、練習で両利きになった、という話をほとんど聞かないものもあります。すぐに思いつく例は、オーバーハンドで投げるモーション。

野球の投手は、ナダルが左打ちになったのと同じ理由で、左投げが少ないのなら左投げになりたいはず。簡単に切り替えられるものなら、右投げと左投げの投手の数はほぼ同じになるはずです。ですが、両投げと言う選手はほぼ皆無ですし、右利きなのに左投げになった、と言う話も聞きません。左投げの投手は普通に左利きの人に限られるので、実際に稀少価値があるんです。(注)


ナダルも、投げるモーションに似ているサーブに長年苦労していました。これも、利き手でない方の手で、オーバーハンドで投げる、と言うのが難しい事の現れかと思われます。


野球の場合、左打ちの選手は一塁に近い上に、バットを降った勢いで一塁に向かって走り始められるので、イチローのように右投げ左打ち、と言う選手が多くいます。

逆に、左利き、左投げなら、わざわざ右打ちになる理由はあまり無いんです(スイッチヒッターになる理由はあります)。左投げ右打ち、と言う選手はほとんどいません。

例外の1人が、去年殿堂入りしたリッキー・ヘンダーソン。子どもの頃友達と野球をしている時、他がみんな右打ちだったので、こうやるものなんだと思って右打ちになったとか(笑)


こうダラダラ書いてみると、利き手については色々気にしているんだなぁ、と分かりますね。自分は右利きなんですが、左利きの女の子を見るとグッと来るので(笑)スイッチヒッターが好きだとも以前書きました。

それはいいとして、利き手のどれくらいが遺伝で決まるのか、なぜ右利きの方が多いのか、面白い問題です。

(注)
野球選手の投げる手に関しては、1つ注意点があります。内野の二塁手、三塁手、遊撃手の3つのポジションは、打球を取って一塁に投げやすくするために、右投げでないといけないんです。捕手もほぼ全員右投げです。(捕手が右投げの理由は、実際のところ不明)

テーマ : スポーツ全般
ジャンル : スポーツ

左利きの宇宙?

お久しぶりです。ほぼ1週間、彼女さんが遊びに来ていまして更新お休みでした。

…と、ブログに戻ってきてみると、拍手の数がやけに増えてるんですね。1週間で40個。同じ記事にいくつも入ってるんで、新手のスパムかな?とも思ったんですが、拍手は出し手が分からないからスパムとしては全く意味がない(笑)

古い記事でも、拍手をして頂けるくらい感心(?)してもらえたなら、どういう風な感想を持ったのか、コメントしてもらえるとさらにありがたいです。


更新を休んでいる間に、面白い講義を聞いてきました。アミノ酸の「利き手」(キラリティ)についての話です。

生化学をかじった人なら知っているかと思うんですが、アミノ酸の分子には、右利きと左利きのものがあります

chirality

アミノ酸の構成要素は、中心になる炭素(C)と、それにくっつく水素(H)、アミノ基(NH2)、カルボキシル基(COOH)まではどれも一緒。アミノ酸の種類を決めるのは、炭素にくっついているもう1つの要素(R)です。そしてこの構成要素の繋がり方には2通りあって、お互いが鏡で映しあったような関係にあるわけです。便宜上、片方の繋がり方を右利き、もう片方を左利きを呼んでいるわけです。


アミノ酸を、普通の方法で人工的に合成すると、右利きの分子と左利きの分子が半々出来上がります。

でも地球上の生き物の中を見ると、ほぼ全てのアミノ酸は左利きなんです。(セリンと言うのが例外らしいです)


問題なのは、この地球の生物内のアミノ酸の利き手は、いつ、どうやって決まったのか

スタンダードな答えは、今の地球上生物全ての先祖にあたる何者かがアミノ酸を作り始めた時に、たまたま左利きのアミノ酸を作った、というもの。


生き物の体中で色々な働きをする酵素は、アミノ酸から出来ています。酵素の材料が、左利きのアミノ酸だけだった場合や、右利きのアミノ酸だけだった場合は、右利きと左利きが混ざっている場合よりも酵素の働きがずっと強くなるんだそうです。この事だけから言うと、右利きのアミノ酸を使う生き物がいてもおかしくはないわけです。

でも、片方の利き手のアミノ酸を作るプロセスを使える生物の子どもには、同じプロセスが遺伝によって伝わります。たまたま、地球上の生物の祖先は、右利きではなく、左利きのアミノ酸を作る生物だった、という事なら、今の生物がみんな左利きのアミノ酸を使うことが説明出来るんです。


ただ、この主流の答えを疑う研究者達もいます。先週、講義していったのは、そんな一人。

地球上のアミノ酸が左利きなのは、地球のアミノ酸は宇宙から来たもので、宇宙で作られるアミノ酸は左利きの方が多い、という説を検証しようとしているんです。


こういった仮説を立てる人がいる理由には、マーチソン隕石の発見があります。

オーストラリアのマーチソンという町の近くに落ちたこの隕石には、アミノ酸が含まれていました。そしてそのアミノ酸は、左利きの方が多かったんですね。(100%ではありません)

地球上にあったアミノ酸が紛れ込んだのでなければ、これは、地球外のどこかでアミノ酸が作られて、しかも利き手が偏っていたという事になります。どうやってそういう事が起きるのかは、まだ確かな答えの無い謎なんです。

地球上の生命が、どういう風に始まったのか、というのも、確かな答えが無い謎。2つ大きな謎があると、繋げて考えたくなるのが科学者の癖です。地球上の生物は、宇宙から来たアミノ酸から生まれた、という説を唱える人が出てきたのは不思議ではありません。


個人的な印象だけ言うと、今の地球上のアミノ酸がほぼ左利きだけ、と言うのは、生物が生まれる前の地球上のアミノ酸に付いてはほとんど何も教えてくれない、と思います。

なぜなら、一度生物が生まれてしまうと、その生物がたまたま使っていたアミノ酸の利き手が、一気に増殖してしまうから。元の利き手の割合がどんなものでも、一度左利きのアミノ酸を使い、作れる生物が増殖すると、以前の割合の痕跡は無くなってしまうんです。

これの例外は、生物の誕生には、アミノ酸の割合が最初から大きく偏っていないといけない、と言う場合。この場合、地球上のアミノ酸の割合は何らかのプロセスで元から偏っていて、そのおかげで生物が生まれた、と言う事になります。もしかするとその偏りは、地球外で作られたアミノ酸にあるものだったのかも知れません。


この問題にしろ、生命誕生の謎にしろ、生物学、化学、物理学が全部絡んでくるなかなか難しい問題です。しかも、答えをどうやって検証すればいいのか、という事も考えると、面白いけれど、仕事でやりたいとは思いません。間違っていても間違っていると分からないわけで、いつまでも突き進んで行っちゃうんですから。


ところで、地球上のアミノ酸の割合は、一昨年、南部教授がノーベル物理学賞を受賞した「対称性の自発的破れ」の面白い例です。いかにも物理学者の興味をそそる問題なのかも。

テーマ : 宇宙・科学・技術
ジャンル : 学問・文化・芸術

サンフランシスコ、1906

ダークマターの話をどう続けるか考え中ですが、代わりにYouTubeの映像でもどうぞ。

1906年の大地震に襲われるほんの数日前のサンフランシスコ。目抜き通り、マーケット・ストリートを通るストリートカーから撮った映像です。



追加:
大地震の6週間後のサンフランシスコ。凧を使って撮ったパノラマ写真…だそうです。クリックすると拡大できますが、さらに解像度の高いのも見られます→こちら

San Francisco

ビデオとちょうど正反対の向きから撮った写真、ですね。

今では、右の方にゴールデンゲートブリッジ、左下にベイブリッジがあります。

テーマ : 歴史・文化にふれる旅
ジャンル : 旅行

オッカムの剃刀

Calvin and Hobbesって4コマ漫画があります。というか、ありました。

小学生Calvinと、トラのぬいぐるみのHobbesが主人公。Calvinが、親、学校、社会一般の常識に無邪気に反抗する日々を描いた漫画です。和やかな絵柄とは裏腹に、やけに鋭い社会風刺をしてるんですね。コメディーとしても面白いのはもちろんですよ。

と言うわけでオススメなんですが、この話をしてるのは、1つ紹介したい回があるから。

4コマより長い、日曜版です↓

Calvin and Hobbes

昔の写真がなんで白黒なのか不思議に思ったCalvin、お父さんに聞きに行きます。

Calvin「おとうさん、なんで昔の写真は白黒なの?カラーフィルムはあったんでしょ?」
Dad「そりゃああったよ。実はね、古い写真はカラーなんだよ。でも、世界が白黒だったんだ」
Calvin「ホントに?」
Dad「本当さ。世界は1930年代くらいまでカラーにならなかったんだ。しかも最初の頃は、色が粗かったんだよ」
Calvin「それってすごい不思議」
Dad「事実は小説より奇なりというからね」
Calvin「でも、なんで昔の絵はカラーなの?世界が白黒だったら、画家もそういう風に描いたんじゃないの?」
Dad「そうとも限らないさ。偉大な画家の多くは、狂っていたからね」
Calvin「でも、でも、なんでカラーで描けたの?絵の具も灰色だったんでしょ?」
Dad「そうだよ。1930年代に、絵の具もカラーになったんだ」
Calvin「じゃあなんで、白黒の写真はカラーにならなかったの?」
Dad「白黒の世界をカラーで撮ったからだよ」


Calvinが不思議に思った事、説明して欲しかった事は、
1.今の写真はカラー
2.昔の写真は白黒
3.今の絵はカラー
4.昔の絵はカラー

もちろん、正しい説明は、昔の写真は白黒しか撮れないフィルムだった、で、お父さんの説明はデタラメです。でも、論理的には間違ってません。昔のフィルムが白黒だった、という証拠があるのでもなければ、絶対に間違ってると言う証明はできないんですね。


判明している事実を説明するために、いくつかの説がある、っていうのは科学の世界や法廷ではよくある事。こういう時にどうすればいいのか。

タイトルでピンときた人はもう分かっていると思います。複数の説がある場合には、より簡潔なものを選ぶべき、というオッカムの剃刀、という指針があるんです。

なぜ「剃刀」かというと、必要の無いものは切り落とすべき、という事です。オッカムのウィリアムという人が書いたので、こういう名前が付いたんですね。


Calvin and Hobbesの、昔の写真に付いて説明するには、
1.1930年代頃にカラーフィルムが発明され、普及しだした
2.カラーフィルムの質は最初の頃はあまり良くなかった
という2つの要素だけで足ります。

一方、Calvinのお父さんの説明には、
1.世界は1930年代まで白黒で、そのあとカラーになった
2.さらに、カラーになったあと少しの間は、色が粗いままだった
3.昔の画家は、白黒の世界がカラーに見えていた
と、3つの主張が入ってます。しかも3つとも、なんで?とさらに聞きたくなるような話です。

このことから、1つ目の説明のほうが、正しい可能性が高いと思われるわけです。


オッカムの剃刀は当然、絶対的な基準ではありません。込み入った説明のほうが正しいこともあります。

でも、自分の説がどういう前提の上に成り立ってるのか考えるのは大事です。例えば、陰謀論と言われるもののほとんどは、気をつけて考えれば、おかしな前提がある事に気がつくものです。

秘密の何かがあったとして、その秘密をどれだけの人が知っているのか。そして秘密を知っている人それぞれに、秘密を隠す理由はあるのか。つまり、隠す事で、秘密を明かした場合より得をしているのか。世の中にある色んな陰謀論についてこう考えて行くと、実はそんな秘密など無いんじゃないか、と思えるものがほとんどのはずです。



ところで、うちのブログで書いている色んな事は実は、結構少ない数のテーマで繋がってます。自分の頭の中にある密接な繋がりを、どうやって他の人にも伝わる言葉で説明出来るかな、と言うのが1つの課題です。

で、オッカムの剃刀の話は、エントロピーと大いに関係があったりするんですねぇ。今回はもう長くなりかけてるんで、また後で。

テーマ : 哲学/倫理学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

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