スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

続・物理と数学

前回の続き。

今度は、別に研究したり、大学で専攻するわけでもないけれど、物理学ってちょっと気になるな、と言う人は、数学が出来ないとダメかどうか、って話。

これは、当然、出来た方が良いのは間違いないんですが、数学が出来なくても良い、とあえて言いたいです。そう思ってなければ、物理のいろんな話を、一般向けのブログでやろうとは思いませんしね。


物理に限らず、科学全般に言えることで、大事なのは、いろいろな現象を説明する事なんですね。物理を理解する、と言うのは、公式に当てはめて計算が出来る事ではなくて、なぜその公式が成り立つのか、その原理を知る事です。


例を挙げた方がいいですね。

相対性理論によると、光速に近い速さで動いているものは、前から後ろへの長さが縮んで(ローレンツ収縮)、その物が感じる時間の流れが遅くなります。これは、ローレンツ変換という数学的な操作をすればすぐに分かります。

ですが、そもそもローレンツ変換がどういう前提から出てきたかというと、それは光の速度が一定だという原理からです。この原理から考え始めて、アインシュタインが好きだった思考実験をすれば、長さが縮む事、時間が遅れる事は分かるんですね。

もちろん、数式を使わないと、どれくらい長さが縮んで、どれくらい時間が遅れるのか、というのは分かりません。でも、実験をやって検証するわけでもないのなら、大まかな事情が分かればいいわけです。定量的ではなく、定性的な理解ができればいいと言うことです。


ただ、いくらか数学の知識がないと、ちゃんとした理解は出来ないだろうな、と思うものもあります。

量子力学で、物理系の状態がベクトルで表されて、2つの状態を足し合わせたり出来る事などは、ベクトルに付いて深い理解がないと、本当の意味が分からないものだと思います。シュレディンガーの猫は、2つの状態を重ね合わせた状態が、いかに人間の直感に反しているのかを示す思考実験です。


思考実験をすれば分かるはずの概念と、ちゃんと数式で理解できないと本当の理解が出来ない概念、と2つに分類できるわけではなくて、大体のものは中間に入ります。

座標変換について説明していると、あぁ、数学をやっていない人はこういう考え方をしないんだな、と毎度思わされます。言葉で説明は出来るんですが、どうも伝わりきらないんです。

エントロピーなどは、数式無しで、それなりに説明できたんじゃないかと思っていますが、どうでしょう?(リンク。伝わらない部分があったらコメントお願いします)でも熱力学の第2法則がどれだけ強力なものなのかは、数学、特に組合せ論が分かって初めて分かるものだと思います。


今は言葉だけで説明できないものでも、絶対に出来ない、とは言えないわけで。数式では捉えている、という人が、言葉で伝えられるよう努力するのは大事な事です。数学的に記号を動かしまわしたら公式が出てきた、というだけでは、物理の概念を理解したとは言えないからです。

テーマ : 物理学
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

プロフィール

アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

ブログ内検索
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
リンク
RSSリンク
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。