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時間の矢の問題

前回は、エントロピーが、しっかりとした構造があると低くなるもので、月並み度、ありきたり度、と呼んでいいものだということ、そして、エントロピー増大則というのは、元々構造を持っていた配置から始めても、時間が経つにつれてありきたりな配置に変わっていってしまう、と言うことだと説明しました。


物理学から、1つ具体例を挙げます。(kashさんが違う例をリクエストしてましたが、難しかったので…)

空気は、約75%が窒素、約25%が酸素で、他の物質が少しだけ混じってます。ここだけの話、窒素と酸素だけ、ってことにします。

1リットルの空気を容器に入れて、窒素と酸素がどういう風に分布しているのか見てみると、均等に混じっていて、窒素の方が多い所とか、酸素の方が多い所と言うのはほとんど無いようになっています。

これは、コインを何度も何度も投げて、表が何十回も連続で出る確率が低いのと一緒で、窒素がたくさん固まっているような分布はありきたりではないから。要するに、固まっている状態はエントロピーが低く、混ざり合ってる状態はエントロピーが高いからです。(放って置いたら、エントロピーが高い状態になってた、という例です)

わざと窒素と酸素を分離した状態から始めても、そのうち混ざりきった状態になってしまいます。同じ種類の分子を固めて置いたわけですが、それぞれの分子は勝手に色んな方向に動いていってしまうので、どんどんありきたりな状態、エントロピーの高い状態になってしまうんです。


ここで、時間の矢の話に戻ります。

物質の運動を表記するための法則は、時間を逆向きにしても成立する、とこのシリーズの最初に書きました。ある時点で、物質を正反対に同じ速さで動かし始めると、映像を逆回しにしたように、以前の状態を辿っていくわけです。

という事は、
分離した状態→混ざり合った状態
の混ざり合ったプロセスの、正反対のプロセスも起こるはず
なわけです。

そして、
混ざり合った状態→分離した状態
というプロセスでは、エントロピーは減っているじゃないか
、と。

これが、時間の矢の問題です。


これをどうやって解決するのかは、明日か明後日に続きを書きます。

テーマ : 物理学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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時間の矢については、最近本が出たんです。英語ですが。 From Eternity to Here: The Quest for the Ultimate Theory of Time(2010/01/07)Sean Carroll商品詳細を見る ...

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Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

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