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考える機械

最近、読んで衝撃を受けた文章があります。
英語で読んだんですが、以下、自分の訳。

「もし、外見から内臓まで、サルのような理性の無い動物にそっくり似せた機械があったとしたら、その機械が元の動物とは違うものだと判断することは出来ないだろう。しかし、人間の体とそっくりで、人の行動も可能な限り真似することの出来る機械があったとしても、この機械が人間ではないと判断するための方法が2つ残されている。

1つ目の方法は、この機械には、考えを他人に伝えるために、言葉などの記号を並べて交信する事ができないという事だ。

(中略)

2つ目の方法は、このような機械が、色々な作業を人間以上の能力でこなすとしても、他の作業を行わせてみれば、知識をもって動いているのではなく、設計された通りの働きしかする事が出来ないのが分かるという事だ。」



人工知能についての本を読んだ事のある人なら多分知っていると思いますが、
上に書かれているような、機械か人間か区別する方法は、
チューリング・テスト」と言われています。

ある機械が「知的」だとされるためには、
人間と話をさせた時に、機械だと気づかれないように会話が出来ないといけない、
と、コンピュータの父の1人、アラン・チューリングが提唱したんですね。
(abdmalさんのコメントで気付きました。逆ですね。
機械だと気づかれないように会話が出来れば、
その機械は知的だ、と提唱したんでした)

これは良く知られてるんで、内容で驚いたんじゃないんです。
驚いたのは、この文章が書かれた時期。


上の文章の出典は、ルネ・デカルトの『方法序説』。
1637年に書かれた本です。

1637年というと、望遠鏡でも珍しがられた時代。
パスカルの計算機もまだ作られてません。
大した機械があったとは思えないんですね。

そんな時代に、動物の動きは、機械でも真似が出来る、
と書いちゃってるのがすごいと思うんですね。
(「我思う、ゆえに我あり」なんかよりずっと)

さらに、人間の行動までも、機械で真似が出来るんじゃないか、
とデカルトは考えを進めたのですが、
最終的には、「知能」や「思考」を機械で真似する事は出来ない、
という結論に落ち着くわけです。

20世紀になって、
このテストを(恐らく)独自に考案したチューリングは逆に、
機械が知能を持つことは可能だ、と考えていたようです。


ここで皆さんに質問。

機械には、デカルトやチューリングの言うような意味で、
「知能」を持つことが出来ると思いますか?

つまり、人間と全く変わりなく会話が出来て、
学習する事も出来るようになると思いますか?

そして、そう思う理由はなんですか?(←これが一番大事な質問)
考えるに当たって、僕が一昨日書いた事を思い出してください。
当たり前のように思えることも、なぜそう思うのかってみる事です。

続き


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(1997/07)
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テーマ : 心・脳・言葉・人工知能
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

興味深いテーマですよね。
アイザック・アシモフを読んだときの気持ちを思い出しました。

機械が知能を持つ、ということは十分にありうることだと思っています。願いともいえるかも知れません。

思うに、人間の知能というのは知能の一つのあり方で(あってもよいはずで)、それと同じものがあるかどうかで知能の有無を論じるのは人の傲慢のような気がします。それでは人間がもっとも高等なものであるかのように聞こえてしまう。
言語(コミュニケーション)は必要なく、互いの考えることを全て理解でき、自由意志で行動できるという存在があるかもしれず、それらは人と交信できませんが、しかしそれも知能だと思うのです。

こう考えられるのは、「知能」というものそれ自身、まだよく分かっていないことだからです。
それを分かったつもりになってしまうことは、科学的ではありませんし、もちろん先の記事にアシュリーさんが書かれたことにも反します。
(こういう意味で「疑う」ということを強調されたのかも知れないな、と思いつつ。

そのためあらゆる可能性を僕はまだ信じています。
青臭い哲学みたいになってしまって恥ずかしいのですが。

最後に、僕が”知能を持つ存在”を定義するのなら。
「彼自身が自らに知能があると認識したとき、彼は知能を持つ」です。
自己言及的で他者から見たら無価値ですね。
でも、それが知能というものだと思います。
他からは決して認めることができないが、侵されることもない。
僕は「コギト・エルゴ・スム」から抜け出せていないのかも知れません。

難しいことはわかりませんが、

可能だと思います。

理由は、脳科学の進歩には目を見張るものがあるから。

方法を考えるのだとあれこれ浮かぶんですが(それが有用なのかどうかは別として)、理由となるとわけわかんなくなりました。

No title

なかなか考えさせられるお題ですね
私、個人の意見としてはある意味で可能かと
厳密に言えば不可能かと
ジャッジするものが人間だと前提にするならば、人間を騙しきるスペックだけを持てば良いわけだから、これはハードとソフトの問題それはいつかは別にして時間の問題と思います
しかしなが、思考方法、思考回路はまったくの別物にはなるでしょうし、人間は騙せても、方法は別にしてひとつひとつをしかるべく吟味したならまず判別はつくのかと
ま、この意見自体は思い付きで吟味されていませんがね(笑)

まず

三方とも、コメントありがとうございます。

これについて自分の考えていることは、
コメントの欄だと足りない部分があるので、
記事をもって大筋の返答としたいと思います。

そこからそれると思う部分だけ↓で返事を書きます。

adbmalさん

デカルトは、元の文章を読まれているかどうか分からないのですが、
"Cogito, ergo sum"というのが、
彼が、全てを疑ってみても、これだけは譲れない、として書いたことなんですよね。

「意識」というのがなんなのかは別としても、
意識を持った存在が最低でも1つは存在する、
という事と自分は理解しています。

デカルトは考慮しなかったケースだと思いますが、
この宇宙が、誰かの作ったシミュレーションだと言う可能性も否定できません。
信心深い人なら、神様が創った世界だから、
シミュレーションと言えばシミュレーションだ、と賛成するでしょうが、
悪ふざけの好きな人達は、
学生が学校の課題で作ったシミュレーションかもしれないよ、
などと言っていたりします(笑)

脱線気味ですが、
人間をあまり特別扱いしない方が良い、と言うのには賛成、という事です。

kashさん

あくまで、「原理的に」可能かどうかで考えてみるとどうでしょう?

可能だけど、人間がそこに達するにはこれから何千年もかかる、というケースや、
知性を持った機械の実現が目の前にあっても、
何らかの理由で、将来の人類はそれを作らない事を選択する、というケースもありますが、
実際に作られるかどうかとは別の話で、
原理的に可能なものは可能、不可能なものは不可能、と言う視点で。

ハルオさん

いえいえ、疑うには、疑う対象がないといけないわけで、
叩き台は必要だと思います(誤謬がある言い方ですが、笑)

騙す能力があるだけで、知能があると言えるのか、という疑問や、
ハード、ソフトの視点でこの問題を考えるのは、
どちらも大事な所だと思います。

原理的に、可能だと思います。

科学は何でも出来る!とは思いませんが、不可能を可能にしてきたという面はあると思うんです。

そういう、期待というか願望もこめて。

ちゃんとした理由としては、機械の定義が変わっていくんじゃないか?って思ってるというのがあります。
例えば、人49%機械51%のモノは、もはや機械なのでは?って。

アシュリーさんの記事の機械は100%機械という意味だと思いますが、純粋な機械のみでも可能か?というのも、そう遠くない未来に可能になると思ってます。

kashさん

ここでいう「機械」というのは、
特定のルールに従って部品が作動して、
全く同じ条件なら、全く同じ反応をする装置
、として考えてください。

人の内部構造が分かりきっていない以上、
人1%、機械99%のものでも機械ではありません。

ただ、人を人として扱わないのなら、人を含んだ機械も作れますが。
つまり、人間に100%マニュアル通りの指示に従わせて、
指示以上の余計な事をしないようにすれば、
それは機械になります。
「機械的」な作業といわれるのは正にこういう意味ですね。
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プロフィール

アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

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