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物理学賞解説その1~対称性

先週発表されたノーベル物理学賞、
日本人3人が受賞って事で、盛り上がったようですが、
自分の分野と被るところがあるんで、ちょっと解説しようと思ってました。

でも、南部教授の「自発的対称性の破れ」と、
小林・益川教授の「CP対称性の破れ」、
ちょっと入り込みにくいトピックなんですよねぇ。

なにがネックかって言うと、物理学での、「対称性」と言う言葉の意味です。


日常生活で使われるのは、「左右対称」とか、「上下対称」という対称性。
上から読んでも下から読んでも、回文も対称ですね。

まず、物理学でも通用するところを言うと、
対称性とは、「なんらかの転換をほどこしても、見た目が変わらない」という事です。
右と左を入れ替える、90度回転させる、などの転換をしても、
見た目が変わらなければ対称、という事です。

ただ、日常的に対称と表現されるのは普通、「もの」です。

もの以外に、なにが対称になれるんだ?と言われそうですが、
物理学で研究されるのは、「物理法則」の対称性なんです。


それは例えばこういう事。

全く同じ実験器具を作って、
東京と大阪で同時に実験を始めたとします。
外部の影響が無いような実験なら、同じ結果が出るでしょう。

つまり、実験の場所を変えても結果は一緒、
物理法則は、どこでも一緒、って事。
堅苦しく言うと、物理法則は「空間の並進に対して対称」です。


これだけだと、当たり前と思われるかもしれませんが、
この、空間の並進対称性から、なんと運動量の保存則が導けます。

運動量の保存則は、ロケットが前に進む理由です。
(知ってる人のほうが多いかもしれませんが)

Rocket

止まった状態のロケットは、運動量がゼロ。

燃料を噴射すると、燃料の運動量が後ろに向かいます。
でも、運動量が保存されるって事は、
全体の運動量は噴射の前と一緒、ゼロじゃないといけません。

つまり、ロケット本体が前に進んで、バランスを取らないといけないわけ。


運動量の保存則は、高校の物理の最初の方で暗記物として教わるものですが、
物理法則が宇宙のどこでも一緒、という対称性から来るものなんです。

実は、物理法則に対称性があれば、それに対応する保存則がある、
と言う定理があって、これは1つの例。(ネーターの定理)

他にも、エネルギーの保存則は、
時間が経っても物理法則は変わらない、という対称性から来ています。


今の物理学では、このように「対称性」を利用する事で、
物理法則について色んな事が分かるんだ、という認識があります。

今回の3人の受賞には、そう言った背景があるんだ、
とまず分かってもらいたいな、と思いました。

それぞれの研究の中身についても、これから何度かに分けて書いていこうと思います。

テーマ : 物理学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

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