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コミッショナー

ソニックスのお話その5です。(1234


NBAコミッショナーは、普通の会社で言えば社長に当たる役職。
NBA全体の利益を上げる事が一番の職務です。

デイヴィッド・スターンは、実に24年間、そのコミッショナーを務めています。
Stern

(1984年ドラフト、1位指名のハキーム・オラジュワンと)

ジョーダン等のスター選手を売り込む事でリーグの人気を上げて、
90年代にはNBAの全盛期を築きました。
98年のロックアウトで受けた打撃からも、
レブロン・ジェームズなど、新世代の台頭で立ち直りつつあります。

選手のおかげの部分はあるにしても、ここまでは成功を収めてきたコミッショナー。
41年の伝統があるシアトル・スーパーソニックスの移転騒動について、
どのような行動を取ってきたんでしょうか?


前オーナー、ハワード・シュルツの頃から、
ソニックスが赤字経営を続けていた事はその2で書きました。

NBAでは、各チームの利益が一部再分配されるようになっているので、
1チームの損害はリーグの損害になります。
なのでスターンは、ソニックスの赤字の元、シアトル市とのアリーナ貸し出しの契約について、
この頃から再交渉や解消を求めて市や州に働きかけていました。


しかし、議会で進展が無いのを見て、スターンは方針を変えたようです。
シュルツがチームを売る半年前、2006年4月に、このようなコメントを残しています。

「シアトル市は、NBAが残る事を求めていないようだ。
それは理解できる。市には他にも色々な議題があるわけだから。
市長がどのような判断を下すのかは、彼の自由だ。」

まず、相手に誠意が無い、と言うアピール。
そして、移転を暗に含ませた脅しともいえます。

シアトルのニッケルズ市長からは、即座に反論のコメントがありました。
ソニックスには40年以上シアトルにいてもらったし、
これから40年以上もいてもらいたいと思っている、と。


クレイ・ベネット率いるオクラホマシティのオーナーグループがソニックスを買い取ったあとは、
ベネットのために、PR活動をはじめます。

ベネットが、レントンでの新アリーナ計画を発表した去年の2月のコメント。

「オーナーグループは、巨額の資金をかけてプランを立ててきた。
建設予定地など、しっかりと決まっているのは発表の通りだ。
今まで、シアトルはNBAにとってとても良い街だったから、これが実現する事に期待している。
ベネットのグループは、ここまで素晴らしい働きをしているし、
これからも素晴らしいオーナーであり続けると思う。」

この新アリーナ計画の実態は、その3に書いたとおり。


新アリーナ計画が議会に否決されたあとも、
スターンのコメントはこの2つのパターンで続けられます。

「シアトルは、NBAを追い出そうとしている」
そして、
「ベネットのグループは出来る最大限の事をしている」
と言うアピールです。


メディアでの情報戦になると、スターンが有利なのは明らか。
NBAコミッショナーの記者会見は、アメリカ各地からの記者が集まりますが、
シアトル市長、ワシントン州知事となると、地域の記者しか普通集まりません。


ただでもNBAが注目されている、
オールスターの時期(今年の2月)に合わせたコメントもありました。

「ソニックスがシアトルに残れないのは誰の目にも明らかだ。
新アリーナは建たないし、税金の援助も無い。
残るただ1つの問題は、アリーナ貸し出しの契約からいつ抜け出せるかだ。
私のリクエストで、ソニックスは契約を買い取るオファーを出したが、それは市に拒否された。」

この貸し出し契約をシーズン終了後に打ち切るためのオファーは、
実は、たった1日の期限付きで出されたものでした。

市がそれを受け入れられなかったのはむしろ当然。
このコメントに付いては、市議会や副市長から即座に反論がありました。
そしていつも通り、反論の方は、全米メディアでの扱いはほとんど無く終わってしまいました。


この日スターンが残した的外れなコメントは、もう1つあります。

「市議会の議長が、
『ワシントン大学が新スタジアムを建てると言うのなら、税金の援助も考慮する。
だが、ソニックスの場合はそれは出来ない』
と言っていたと新聞で読んだ。
そのような論調の中で、進展があるわけが無い。」

この議長の主張は、まっとうすぎるほどまっとうです。
なぜなら、ワシントン大学は州立なんですから。
もう呆れるしかありません。


こういったコメントを見ると、
ソニックスに圧倒的に有利な条件でもなければ、
シアトルにはチームを残さない、と言うスターンの方針は、
露骨なほど明らかです。

でもそれは、リーグに取って利益のある事なのでしょうか?


続き

テーマ : NBA
ジャンル : スポーツ

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非公開コメント

No title

やり方に是非はあるにせよ、現状ではとどのつまりジリ貧ですよね
というか、赤字が計上されるわけですわな
短期的に見れば、移転先で収益があがるという前提ならば効果的なのかとも思えます
ただ、褒められたやり方だとは思いません
正直なところ、興行の経営っていうのはファン有りきです
単純にプラスマイナスで図れないところにあると思います
日本ならヴェルディやジャイアンツのように全国的な知名度に頼ってきたチームの人気は寂れ、逆にレッズやタイガースのように地域に根ざしたチームのファンがいちばん熱狂的にサポートしている点を考えれば、おのずと正解は見えてくるような気がしますが…

ハルオさん

収益については、続きで書いたのでコメントしませんが、
「ファン有りき」と言うのが結局のところ自分も言いたい事です。

41年間、チームを応援し続けてきたシアトルを捨てる事が、
リーグのためになるとは思えません。
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アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

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