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Good Faith

ソニックスのお話その3です。(その1その2

昨日のNBAオーナーの投票で、
ソニックスのオクラホマシティ移転は28対2で可決されました。
Noの票を投じたのは、マヴェリックスのマーク・キューバンとブレイザーズのポール・アレン。

キューバンは、オーナーになってもファンの視点で頑張っている貴重な人ですし、
ポール・アレンはビル・ゲイツと共にマイクロソフトを創立した生粋のシアトル人。
この2人が反対するのは分かってました。

他の28人、いや、ベネットが賛成するのは当たり前だから27人、には失望しましたね。


話を2年前の10月に戻して、
ハワード・シュルツからシアトル・スーパーソニックスを買い取ったクレイ・ベネット。
Bennett

1年間は、シアトルにチームを残すためにgood-faith effort(誠実な努力)を尽くす、
と言うのが取り引きの際の条件の1つでした。

このままキー・アリーナでやっていては、
チームに利益が出ない理由はその2で書きました。
つまり、残された選択肢は、
1.キー・アリーナの改築、または貸し出し契約の変更
2.シアトルか、その近郊で新アリーナの建設
3.移転

3のオプションを避けるために、
実際、ベネットはどのような「努力」をしたのでしょうか?


去年の2月になって、ベネットのオーナーグループが提案したのは、2番。
シアトルのすぐ近くにあるレントンに、新アリーナを建てる、と言う案でした。
Renton Arena

実は、シアトルで続けていくためにベネットが自発的に出した案は、これだけ。
なのでまずは、この案がどれだけ現実的だったのか検証してみます。


建設予定地のレントンは、シアトルのダウンタウンから南東に20kmの場所にあります。
中心地から遠すぎるのでは?と言う声もありましたけど、
個人的にはそこは問題ではなかったと思います。

例えばデトロイト・ピストンズの本拠地、オーバーン・ヒルズは、
デトロイトのダウンタウンから50kmほども離れていますが、
毎試合のようにチケットが売り切れています。


費用の見積もりは、
土地を買い取るのに約1億5000万ドル、建設費は約3億5000万ドルで、
合計5億ドル、と言う事でした。

3億5000万ドルと言うのは、6、7万人収容のフットボールスタジアムならまだしも、
2万人しか入らない屋内競技場の建設費としては例外的に高い値段です。

ベネットのグループは、ソニックスが残るだけでなく、
NHLのチームを誘致したり、
他のイベント(コンサート、コンベンションなど)で年中使える施設にすれば、
地域にとって大きなメリットがある、と説きました。

確かに、デンバーのペプシ・センターなどは、
NBAとNHL両方で使われている上に、
試合と関係なく営業されるレストランまで入っています。

ただ、ペプシ・センターの建設費は1億6000万ドルでした。
10年間で、似たような施設の建設費が2倍になったりするんでしょうか?


さらに問題なのは、
費用のうち4億ドルを、税金から出して欲しい、と言うベネットの要求でした。

ちょっと考えてみてください。
前のオーナーだったハワード・シュルツは、
キー・アリーナ改築のために2000万ドルほど出してもいい、とシアトル市に提案していました。
改築費用は、高くても1億5000万ドルくらいだったはず。
その額でも、政府は出すのを拒否していたんです。

ベネットがソニックスを本当にシアトルに残したかったのなら、
最低でも、シュルツが失敗したオファーよりも、
相手にとって受け入れやすい提案をするはずでしょう。

それをしなかった事が、
彼のどんな発言よりも、本心を物語っています。


当然、税金から4億ドルを出すための法案は、州議会を通りませんでした。


ソニックスをシアトルに残すために、
議会へ働きかける以外の手が無かったわけでもありません。

去年の6月には、先住民のマックルシュート族が、
ソニックスがアリーナを建てるのなら、建設地をタダで貸し出す、
と言うオファーを出しました。

そして8月には、シアトル市から、
ソニックスから1億ドル出してもらえれば、
キー・アリーナの改築は出来る、と言う提案も。


ベネットがこういったオファーに対して取った対応は、無視。

マックルシュート族の土地は、確かにレントンよりもシアトルから離れていて、
距離的な問題があったかもしれません。
でも、レントンの場合は土地だけで1億5000万ドルだったわけですから、
良い話だったのには違いないんです。

キー・アリーナ改築の案を無視したのは、さらに露骨ですね。
レントンでの新築なら、ソニックスは同じ1億ドルを出す、と言っていたんです。
(税金で払われない分)


先週のEメールの騒動があるまでは、
誠実な努力をしていない、と言うのを「証明」するのは難しかったかもしれません。
でも、努力をしていないのは、シアトルのファンには明らかだったんです。

ソニックスファンが、オーナー達へ怒りを抱くようになった事、
そして、そんなオーナー達にチームを売ったシュルツへのお返事として、
スタバをボイコットするようにまでなった理由は分かってもらえると思います。


続き

(写真はSeattle Post-Intelligencerより)

テーマ : NBA
ジャンル : スポーツ

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No title

いつもコメントありがとうございます。
ばすけばかのうとくんです。

ソニックスのお話読みました。
ファンの声を聞こうとしないオーナーの姿勢が、よりファンを遠ざけたのかもしれませんね。
キングスで同じことが起こったと仮定すれば、ファンの怒りは容易に理解できます。

うとくんさん

キングズは、2年前にアリーナ新築のための増税案を市民が撥ね付けていますよ。
オーナーのマルーフ兄弟はラスベガスのカジノ/ホテル事業で名を上げた人たちなので、
ラスベガスに移転しようとしている、と言う噂も当時はありました。
シアトルのような事にはならないよう願っています。

No title

悲しい話ですね。 フランチャイズが州に移るのは、日本で、ホークス、マリーンズ、ファイターズが移転で成功してるのとは、全然次元が違いますものね・・・  

アメリカで仕事していると規模の大小はあれ、マネージメントの醜い部分には触れることはあるので、この一連の流れもアメリカでなら全然まかり通るんだよな~と思えてしまってます。 

一方で、オクラホマの反応はどうなんでしょう?

ダラスのオーナーについては、この記事で好感度があがりました。しつこいくらいTVに映ってても、応援してあげたくなっちゃいました。。。

LFMさん

いえいえ、まだ「悲しい話」にはなっていませんから。
ただ、もっと醜い話もまだ残っているので、乞うご期待ということで(苦笑)

オクラホマシティの新聞、The Oklahomanは、
ベネットの奥さんの家族が経営しているので、
NBA誘致を盛り上げるような報道をしていて、
それに乗っている人はそれなりに多いようです。
ただ、ネットで他の情報源を持っているような人達は、
やり方に疑問を抱いているようですよ。
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プロフィール

アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

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