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物理学最大の発見

物理の歴史を遡ると、
大発見とされる業績が何十年かごとにあって、
その中には一般にちゃんと知れ渡ってるのもあります。

アインシュタインの相対性理論だとか、
ビッグバンだとか。


革命的って言う意味では、
20世紀の初めに見つかった相対性理論も、量子力学も、
それまでの物理の常識を一気に覆す発見でした。


でも、それよりさらにすごいと思うのが、
Scienceっていう言葉さえ無い頃、
ガリレオの発見した「慣性の法則」です。

Wikipediaから引っ張ってくると、
「静止している質点は、力を加えられない限り、静止を続ける。
運動している質点は、力を加えられない限り、等速直線運動を続ける。」

平たく言うと、
止まっているものをほっておけば止まったままで、
動いているものをほっておけば動き続ける、って言う事。


中学生なら確実に習いますし、
小学生でも知っているかもしれないような話が、
なんでそんなに大発見なのか。

それは、慣性の法則が意味するところがこれだからです。

止まっている事と、動いている事に、本質的な違いは無い


電車に乗っていると、景色が後ろに動いているように見えます。

常識的には、
電車が動いていて、景色は止まっている、って事になるでしょう。


でも、景色は止まっている、って言うのはどういうことなのか?

考えてみると、
地球は太陽の周りを回っていて、自転もしています。
もっと言えば、太陽は銀河系の中心を回っているし、
銀河系も...

とにかく、なにをもってして、景色が止まってると言えるのか?


ここで、慣性の法則(とニュートンの第2法則)が教えてくれるのは、
止まっているか、動いているかって言う、根本的に思える違いは、
ただの視点の違いだって事。

銀河系が止まっていると言う人、
太陽が止まっていると言う人、
地球が止まっているから、景色も止まっていると言う人、
電車が止まっていて、他は全部動いてる、と言う人。

どれも正しい、って言う事なんです。(注)


証拠として、一定の速度で動いてる電車の中では、
物を落とせば足元の床に落ちるし、
何の支障もなくキャッチボールも出来ます。(いや、狭いか)

地球が自転、公転している事で、
力を感じる事もありません。
(太陽に対して、地球は秒速465メートル、時速1670キロで動いてます。
ちょっと考えてみてください)

電車の中、地球の上にあるからといって、
物の動きが変わることは無いんです。


この原理が、ガリレオになるまで発見されなかった理由は、
周りを見回せばすぐ分かります。

石ころを転がせばそのうち止まるし、
物を動かそうとすると力がいる。
人が走るのも、止まってるのより大変だ。

ものの自然なあり方は、止まっている事だと、
古代ギリシャのアリストテレスが言ったのは、
まっとうな言い分なんです。

これを聞いて、
現代の教育を受けた人なら、すぐに言うでしょう。
摩擦や空気抵抗があるから、止まってしまうんだ、と。

でもこれこそ、コロンブスの卵。
教わった事、聞いた事がなかったら、自分で発見できたでしょうか?
(僕は発見しなかったはず)


慣性の法則を、文字通りの意味で知っていても、
裏にある原理を理解していない人は多いと思います。
学校でそういうことは教えないわけで、しょうがないです。

大学の物理入門クラスの実験でも、
これは動いているから、力が加わってる、と
とっさに思ってしまう生徒が時々います。

落ち着いて考えれば、授業で教わった事を思い出しますが、
直感的に出てくるのは、速いものには力が働いてる、
って言う日常の常識なんです。
(実際に力と関係があるのは、速度じゃなくて、加速度)


長々と書いちゃいましたけど、まとめると、こういう事。

慣性の法則は、日常の観測からも導ける法則です。
でもそれと同時に、常識と食い違う事を平気で言ってしまう法則。
日々の生活で、目に見えるところで働いているのに、
その表面を見るだけでは出来ない大発見なんです。

文明が始まってから何千年も、
常にヒントがあったのに発見されなかった法則で、
発見されたとたんに近代物理学が生まれました。

あまりにも大げさなんでタイトルは控えめにしましたが、
これが人類最大の発見だとも思う理由、
分かってもらえるでしょうか?


(注)厳密に言うと、一定速度の直線運動をしてないとダメ。
電車が加速、減速、方向転換をすると力を感じますし、
地球の自転が直線運動じゃないことから起こる現象も、
台風の渦やフーコーの振り子など色々あります。

ちなみに、アインシュタインの相対性理論は、この原理の延長です。
「相対性」は、ガリレオやニュートンから始まったアイディアです。

テーマ : 物理学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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僕が独自の見解(?)で力について考えてるのは、

・人間(空間)が、人間の形を保っていられるのは、何故なんだろう?

・直線に見えてるものは、実は曲線なんじゃないか?

などという疑問達がけっこう根底にあるんですけど、
その疑問もこの記事に書いてある内容の応用で説明できそうですね。

なんか、この記事を読んでいると、ゲーデルの不完全性定理をイメージしてしまいました。

kashさん

空間についての理論としては、
今のところアインシュタインの一般相対性理論が一番確立されてますけど、
まだ全然詳しくないんです...

不完全性定理は、どういう連想だったんでしょうか?

この記事、少し詰め込みすぎた気がするんで、
あとで2つに分けてまた出してみます。
これも残しておきますけど。

連想

アシュリーさんが前のブログで
「この文は、ウソである」
という一文を用いて不完全性定理を明快に説明してくださったと思うんですけど、

僕の中では、
不完全性定理 → ヤジロベー(振り子?)
のイメージなんです。

本当(真理とはまた別物として)と嘘にキチンとした線引きができない→本質的な違いはない
・・・みたいな(^^;)

強引ですね(笑)。

次の記事、楽しみにしてます。

kashさん

不完全性定理は、
「証明できる事」と「反証できる事」が存在する事は認めてるんですよね。
不完全性定理自体が、いくつかの前提から証明されたものですし。

そういう意味では、違いが無いということはないと思うんですが、
きちんとした線引きができないと言うのは確かにいえます。

ただ、人間の言う本当と嘘の違い、って言う意味だと、
線引きが出来ないのは不完全性定理のためじゃなく、
前提があいまいな事が多いからだと思います。

数学だと、公理を選んで、(a+b=b+aなど)
それが正しいと言う事を前提にして色々と証明、反証できますけど、
実世界では、100%の自信を持って正しい、と言える前提は無いので。
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プロフィール

アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

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