スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

充電中

Thanksgivingの休みでメンフィスに戻ってます。

初対面の人に、どこ出身?って聞くのは定番だと思うんですが、最近、どこ出身だか分からなくなって来たのと、いちいち説明するのが面倒なので、住んだ事のある場所をリストアップする事にしてます。

でも、東京、メンフィス、セントルイス、シアトル、と並べると、どっかに食いついてくれるんですね。盛り上がれる話題を向こうが選んでくれるんで楽です(笑)特に、東京とメンフィスのギャップと、シアトルに興味のある人がバークリーだと多いかな、と。
スポンサーサイト

テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

考えるコンピュータ碁?

コンピュータに囲碁をさせるのを人工知能のプロジェクトだとすると、強いプログラムを作る事以上に、良い手が良い理由、悪い手が悪い理由、というのが理解出来るプログラムを作るのが重要になります。

例を挙げて考えてみます。


囲碁にしても将棋にしても、対局のバリエーションの数は実質上有限です(天文学的な数字ですが)。もし、可能な対局を全部リストアップ出来たとすると、先手か後手どちらかの必勝法が見つけられるはずなんですね。(注)

マルバツの場合を考えると分かりやすいと思います。マルバツだと、人間でもやる気になれば、全部の手全てを網羅して、終局までの手順をリストアップする事が出来ます。そして、そのリストを使えば、絶対に負けない手順で打つ事が出来ます。(ゲーム理論でいう、ミニマックス法という方法を使うと最善手が見つけられます)

ここで質問。囲碁(将棋、チェス、etc.)の可能な対局を全てリストアップしたデータベースを使って最善手を選ぶプログラムは、囲碁(将棋、チェス、etc.)というゲームの構造を理解した事になるでしょうか?


答えは、Noだと思います。このプログラムはもちろん、理論上最強のプログラムです。どんな局面でも、最善の手が打てるんですから。

でも、プレーしているゲームの中に存在するパターンを認識して、それを活用する事は全く出来ていません。このプログラムはどんな局面に出会っても、自分の手全部に対する相手の手を全部リストアップして、次の自分の手を全部リストアップ…という風に、何がなんでも全ての可能性をリストアップして、最善手を見つけるんです。

結局のところ、この手を打てば勝てるからこれが良い手、という判断しかしていません。言い換えると、ゲームのルールしか理解していない、という事になります。


囲碁でも将棋でもチェスでも、ゲーム内には色々なパターンがあります。それは、より大きな地を囲むために好ましい石の形だったり、相手の王将を詰める手筋だったり。

昨日書いた囲碁の、「二眼があれば活きられる」、と言うのもその1つ。

このパターン、概念を理解したと言うのはつまり、実戦でそれを活用して、効率よく考えられるという事。つまり、自分の石に眼を2つ作るような手を探す事、相手の石に眼を2つ作れないような手を探す事。そしてもしかすると一番大事なのが、もう2つ眼が出来ているのなら、その局面はもう決まっているので気にしなくて良い、という事。こういった考え方が出来なければなりません。

伝統的なゲームのプログラムの組み方と言っていい物に、プログラマが知っているパターンを、プログラムに認識させる、というのがあります。こういう形に石が並んでいるのは良い事で、こういう形で並んでいるのは良くない、という風に局面を評価出来るようにするんです。そして、出来るだけ評価の高い局面に持って行けるような手を打つわけ。

これは、丸暗記、詰め込み教育と呼んでいい方法だと思います。こういうパターンが良い、というのは、プログラムが理解しているというより、知識として持っているだけです。プログラムを組んだ人間の理解が移植されているのは確かですが、コンピュータが考える中で得た理解ではありません。独立した知能というよりは、プログラマの知能の延長。人工知能としては物足りないです。


で、モンテカルロ法はどうなのか、という話をするんでした。囲碁をモンテカルロ法を使ってプレーするプログラムは、局面ごとに終局までのプレーをシミュレートします。そしてそのシミュレーションは、弱いにしても、全然ダメな手は除外出来るプログラム同士を戦わせる事で行われます。そして、考慮している局面からシミュレートした結果、勝率が高かった手を選ぶ、という事になります。

前回、なぜこれが囲碁で効果的なのかは説明しました。試合の最後までシミュレートするので、後々になって効いてくる手、というのが見つけられるんです。


ですが、こうやって選ばれた手がなぜ効果的なのか、については、プログラムは全く理解していません。

これは、必勝法を持っているプログラムと似た理由からです。モンテカルロ法を使っているプログラムは、どんな局面でもやる事が基本的に一緒なんです。局面から、どんな手が良いと思われるのか、と言うのはほぼ無視して、とにかくシミュレートする。この手を打つと勝率が上がる、と言う結果しか気にせず、背景にあるかもしれないパターン、理由については不問なんです。

モンテカルロ法は、目的によってはとても有用なものです。(例えば、先週のスロットマシーンの戦術を比較するのに使えます。)ただそれは、考える事の代わりには出来ない物と思われます。


パターンをプログラマが手動でインプットするのでは、プログラマの知識を超える事は出来ませんし(計算能力の違いから、プログラマより強くなる事は可能ですが)、パターンを無視して計算するだけでは、ゲームの構造を理解したとは言えません。本当の意味での人工知能が囲碁をするとなると、学習能力を持ったプログラムに限定されるように思います。


(注)囲碁では、先手の有利を解消するために、コミと呼ばれるハンディキャップが後手の点数に加えられます。コミが無ければ、先手必勝法があるはずですが、コミがある場合はどちらに必勝法があるのか不明です。

チェッカーでは、双方がベストを尽くせば引き分けになる事が証明されています。チェスの場合、証明されてはいませんが、トップの選手同士の対局はかなりの数が引き分けになるので、それがベストの可能性があります。

テーマ : 心・脳・言葉・人工知能
ジャンル : 学問・文化・芸術

モンテカルロ~その2

モンテカルロの続き。

まず、モンテカルロ法がなぜ碁に強いのか。

囲碁の面白さの1つは、打った手が、何十手もあとになって効いてくる事が往々にしてある事です。布石、という言葉が囲碁から来た事から分かります。つまり、序盤(と中盤の前半)には、後々になってどういった役割を果たせるのか、という判断で石を置いていくわけです。

それを考えると、1手1手先を読むタイプのコンピュータプログラムには、囲碁の序盤はとても難しいのが分かります。50手先を読めるのでもなければ、どこに石を置けば良いのか確かな判断が出来ないからです。

モンテカルロ法は、この問題の解決法になります。色々な手を打った後、どうやって対局が進むのか大量にシミュレートする事で、効果的な事が多い手を見つけられるんです。


モンテカルロ法を使ったプログラムの弱点はと言うと、局地戦で、正解は1つだけ、と言う場面でのプレーです。

詰め碁

例えば↑の場面で黒の手順の場合、黒が左から2つ目の点、白が4つ目、黒が6つ目(全部一番上の段)、と言う順で打たないと、黒の石は全て囲まれて取られてしまいます。例えば、黒が最初の手で左から4つ目の点に打つと、白は左から2つ目の点に打って、あとは白が大失敗しなければ黒の石は救いようがありません。(これだけじゃ分からないですよね…。石の固まりの中に、「眼」(相手が打ち込めないすき間)が2つ無いと生きられない、という原則があるんです)

とにかく、この状態からプレーすると、正解が1つしか無い、という局面が3手続きます。ちょっと囲碁を勉強した人間にも、1手1手読むタイプのプログラムにもこれはすぐ分かる事。

でも、モンテカルロ法を使うプログラムは、そんな事おかまい無しに、色んな手を試してシミュレートしちゃうんです。黒が間違えて、白もそれにつけ込まないで間違った手を打つ、という手順が沢山シミュレートされるわけです。そうすると、本当なら100%相手につけ込まれるようなミスでも、たまに酷い事になるみたいだけど悪くないかな、となってしまう事があるわけです(笑)

まぁこれは、1手1手読むタイプのプログラムと、モンテカルロを使うプログラムを組み合わせれば、解決出来ない問題ではないはずです。


個人的にもっと気になるのは、コンピュータ碁を人工知能のプロジェクトとした場合の問題。

それは、モンテカルロ法を使うプログラムは、ある手がなぜ良いのか理解しているのか?というもの。これについては明日書きます。

テーマ : オセロ&将棋&囲碁&チェス
ジャンル : ゲーム

未解決問題

民主主義の話、コンピュータ碁のモンテカルロ法の話、等価原理の話、保留になってます。待ってる人がいたらごめんなさい。

でも、コイントスで3択より面白い問題が出て来たんです。これ↓


スロットマシーンに、右と左にハンドルが1つずつ付いています。それぞれ、当たる確率が(別々に)決まっていますが(注)、その確率はあなたには知らされていません。あなたはこのスロットマシーンにN回挑戦してもらえる事になりました。当たりの回数を出来るだけ増やすためには、どうやってハンドルを選べば良いでしょうか?


N=1、1回しかやらせてもらえない場合は、どっちを引いても関係ありません。どっちが当たりやすいのか全然分からないので。

N=2、2回やらせてもらえるのなら、最初に引いた方で当たればまたそっちを選んで、はずれたらもう片方を選ぶのが最善策。

3回以上になると、どうするのが最適なのか、明らかではありません。基本的な作戦としては、どっちが当たりやすいのか分かるまで両方とも試して、分かったら当たりやすいと思う方だけを引き続ける事になります。

Nが大きくなった場合、例えば1万回挑戦出来る場合に、何回くらいは両方試していた方が良いのか、昨日の夜、ベトナム料理屋で物理仲間と計算していたんですが、閉店時間になってやむなく断念(笑)最初は紙ナプキンに書いていたのが、紙のテーブルクロスを埋めてしまいました。使い捨てだから良いんです(汗)


なんで面白いと思っているかと言うと、この問題、日常生活での色んな判断をする際に似ているんです。

例えば、近所にあるラーメン屋Aとラーメン屋B、どっちが美味しいのかは食べてみるまで分かりません。しかも味にはちょっとムラがあって、毎回すごく美味しい、と思うわけでもない。何回試したあとで、どっちの店に決めるのか。

他にも例は挙げられます。満足のいく休日の過ごし方だったり、通勤に使う道だったり。起こる事にある程度のムラがあって、試してみるまでどれくらいの割合で当たりが出るのか分からない事ならなんでもいいんです。2択である必要も全くありません。

数学の問題としては、期待値(当たりが出る平均回数)を一番多く出来る戦術に興味があるんですが、それと同じくらい、人間が(動物も)実際にどういう戦術を使っているのかも気になります。進化によってインプットされた、かなり良いプログラムを持っているはずなので。

この問題そもそも、元はと言えば、人工知能の問題らしいです。

(注):確率は、0から1までの数字からランダムに選ばれていて、どの数字が選ばれる確率も同じだとします。

テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

コイントスで3択

床屋が近所に3つもあって、どれをまず試そうか迷ってます。

コイントスするわけにもいかないし、と思ったんですが、考えてみたらそんな事はないんですね。コイントスを繰り返せば、3つのうち1つを、それぞれ3分の1の確率で選べるんです。

どうやったらいいのか、考えてみてください。答えは↓続きにあります。









続きを読む

テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

「無重力」状態って?

先週の「一言だけ」の記事、前々から分かっていた人には、そうだよね、と思ってもらえたかもしれませんが、そんな話は聞いた事がない、という人は混乱しまったのではないでしょうか。まず、書いたきっかけから。

子供の、「人工衛星はなんで落ちてこないの?」という質問に、「地球の外は無重力状態って言って、ものが落ちないんだよ」、と親が答えた話を聞いたんですね。

まず結論から言ってしまうと、この説明はあらゆる意味で間違ってます。なんでおかしいのか、今度はくどいと思われるくらいの感じで解説したいと思います。


人工衛星が、どういう風に動いているのか考えるのが最初。人工衛星と言うからには、人間が作ったわけではない衛星、つまり月と似た運動をしているという事。人工衛星は楕円軌道で地球の周りを回っているんです。


では人工衛星は、どうやって地球と離れていく事も、地球に落ちる事もなく、軌道を保って動いているんでしょう?

これは、ひもの付いたボールを円軌道に沿って動かしてください、という問題を考えてみれば分かると思います。一番普通に思いつくのは、投げ縄を持ったカウボーイのように、ひもを引っ張りながら、ひもごとボールをぐるぐる回す方法のはず。

ボールが離れていかないのは、ひもで引っ張られているから。引っ張られているのに円の中心に近づいていかないのは、引っ張られている方向と垂直の方向に素早く動いているからです。

人工衛星が地球から離れも落ちもしない軌道に沿って動いているのは、全く同じ原理です。人工衛星を引っ張っているひもは、地球との間に働く重力(引力)です。もし重力が無かったらどうなるのか、は、ひもを持ってボールを回している最中に、ひもから手を離してもらえば分かります。あさっての方向に、一直線に飛んでいってしまうはずです。

地球に向かって落ちていかないのは、人工衛星は、飛行機も比べ物にならないほどのスピードで動いているからです。(地表から100km200~2000kmの高さを飛んでいる低軌道の人工衛星は、最低でも秒速7.8km秒速約8kmのスピードで動いています)


アイザック・ニュートンが「万有引力」といったのは、地球上でものが落ちる時に働く重力と、天体を軌道に保っている力は同じ力だ、という意味でした。地球と月の間にも、地球と太陽の間にも働く引力。宇宙空間に出るとそれが無くなる、なんて事はありません。この大発見の内容がちゃんと浸透していないのはガッカリですが、300年以上経っても一般に理解されていないような事を考えついたニュートンが偉大だとも言えるんでしょうね…


宇宙に出ると重力が無くなるなんて事はない、と言ってしまったので、2つ目の問題が出てきます。それは、「じゃあ、宇宙が無重力っていうのはどういう意味?」という問題。

まず言いたいのは、「無重力」という用語は誤解しか招かない事。一般相対論の等価原理という観点から言うと、無重力という言葉に問題は無いと言えますが(この点に付いてさらに質問があれば説明します)、等価原理を理解している人は人口の1%もいないでしょう。大学1年の授業でも、無重力、とは教えられません。そんな、専門知識がないと正しく理解出来ない用語は、一般向けに使うべきではありません。

代わりに使うべきだと思うのは、「無重量」。体重計に乗って体重を測ろうとしても、0kgになってしまう、という事です。(というか、乗ると言っても、くくり付けでもしなければ体重計の上に固定出来ないわけですが)


なぜ、宇宙船の中は無重量なのか。これはもう先週書いたように、「宇宙船とその中のものが、一緒に落ちている」からです。これは、口でどうこう言うより、映像で見てもらった方が良いかも。



宇宙飛行士が、無重量状態に慣れるために地球上で行う訓練では、飛行機を放物線に沿って飛ばします。放物線と言うのはその名の通り、投げたものが、勝手に落ちる時に描く線。フリーフォールというやつです。(これは訓練じゃなくて体験の映像ですが。weightlessness、parabolic flightなどで検索すると他にも出てきます)

この場合、飛行機と、その中のものが、一緒に落ちている、と言うのは理解してもらえたでしょうか。宇宙船の中で、ものが落ちないように見えるのは、地球からの引力がないからではないんです。


もう少し身近な例で言うと、エレベーターやジェットコースターで体が軽くなる気がするのの延長です。遊園地で、真っ直ぐ落ちるだけの乗り物もたまにありますね。バスがでこぼこ道を通る時、一瞬体が浮いて、内蔵が浮くような感じになるのも同じ事。宇宙船だと、あのような状態がずっと続く、という事です。


逆に、なんで普段はこうならないのか、と言うのも大事なポイントだと思うので最後にちょっと。

地表で暮らしている人間は、重力を受けて下に向かって引っ張られているわけですが、地面に押し上げられる事で、地下に落ちずに済んでいます。普通に飛んでいる飛行機も、重力に逆らう力(翼によって起こる揚力)をかけて、大体水平になるように飛んでいるので、キャビンの床は、人間が地球に向かって落ちないように押し上げてくれているわけです。

一方、無重量状態の場合は、宇宙船にしろ、放物線を描く飛行機にしろ、地面だと思っているものが落ちているんですね。

無重量かそうでないかの違いは、重力があるかないかではなくて、重力に逆らう力があるか無いか、です。無重力、と言う用語がいかに変なのは、これに気付いてもらえれば分かると思います。

テーマ : 物理学
ジャンル : 学問・文化・芸術

ネット碁

ついに登録してしまいました。人数が多いらしい、IGSとKGS、両方に一応。

IGS(Pandanet)、日本からだと有料らしいですね。それでも入る人がいるのか、と正直ビックリ。無料サーバーが沢山あるのに。

そんなに入り浸るつもりは無いですが、どちらでも名前はhundun(混沌)です。対局したい方がいたら、声かけてみてください。


人間と初めて対戦した感想。コンピュータより、ずっといやらしい手を打ってきます(笑)IGSの7級まではかなり遠い事が判明。

テーマ : オセロ&将棋&囲碁&チェス
ジャンル : ゲーム

モンテカルロ

先週の囲碁の話で、モンテカルロ法の名前を出しました。これがなんなのか、話したいと思います。


モンテカルロと言えば、モナコ公国の1地区。豪邸や高級ホテルが並ぶリゾート、そしてカジノが有名です。この計算方法にモンテカルロ法という名前がついたのは、このカジノ、賭け事にちなんで、です。

モンテカルロ法の基本は、ランダムなインプットを使って、大量の数のシミュレーションをする事です。


簡単な例を挙げた方が早いかと思います。1m四方の正方形の中にちょうど収まるように円を描きます。この円の面積は何m2でしょうか?

これなら小学校の算数でも出来ますよね。1m四方にちょうど収まるという事は、この円の半径は0.5m。円の面積はπr2 = (π/4) m2 ≒ 0.785 m2という事になります。

モンテカルロ法でこの面積を計算するには、この正方形の中の点を大量にランダムに選んで(ダーツの旅みたいな感じです)、円の中に入っている点の割合を調べます。

正方形の面積は1 m2なので、円の中の点を選ぶ確率はπ/4、約78.5%です。点を沢山選ぶにつれ、選んだ点のうち円の中に入っている点の割合はこの確率に近づいていきます。どんどん選ぶ点の数を増やしていけば、この割合をより正確に計算出来る、つまり、円の面積をより正確に計算出来る、というわけ。(これは間接的に円周率の計算になります。実際に円周率を計算できるページがありました。検索すると他にも似たものが出てきます。)


円の面積の場合は、モンテカルロ法なしでも出来るので、実際の所あまりやる意味がありません。普通、モンテカルロ法が使われるのは、円の面積と違って正確な答えが求めづらい問題です。

そこで、囲碁。囲碁でどの手が最善手なのかは、コンピュータにはなかなか分からない、というのを前回書きました。これを、モンテカルロ法で見つけようとしたらどうなるだろう、と試みた人がいるようです。

囲碁でモンテカルロ法を使う、というのはつまり、今の盤面から交互に手を打っていくのを終局までシミュレートする事です。シミュレーションを大量におこなって、ある手を打った場合の勝率が高かった場合、その手を選ぶ、というわけ。


ルールで許される手が大量にある囲碁の場合、全くのランダムで全部の手を試そうとするよりは、少し制限を加えた方が良いようで、シミュレートする際には初心者よりちょっと強いくらいのコンピュータにやらせるようです。

ここで強いコンピュータプログラムを使ってしまうと、1回のシミュレーションに時間を食ってしまうので、大量のシミュレーションが出来なくなってしまいます。これでは本末転倒。1つ1つの質にはうるさい事言わないから、大量のデータが欲しい、というのがモンテカルロ法です。


今の所、この方法を使ったコンピュータプログラムがコンピュータ囲碁の世界では一番強くて、アマチュアの段と級の境目くらいのようです。


次回は、モンテカルロ法がなぜ囲碁に強いのか、そしてこういったプログラムにどんな問題点があるのかについて。

テーマ : 心・脳・言葉・人工知能
ジャンル : 学問・文化・芸術

選挙に現れる「民意」

民主主義は本当にそんなに良いのか?という話。今週のうちに続きを書く、とコメントに書いてしまったのをちょっと後悔してます。週「末」だから、まだ今週なの、と言い訳...まだまとまってないので、ほとんど肉付け無しで。


有権者が、投票するかどうか決める際に(無意識を含めて)考慮している事:
ある候補が選ばれる事で、自分個人がどれだけ得をするか
ある候補が選ばれる事で、社会全体がどれだけ得をするか
自分が1票を入れる事で、どれだけ候補の当選する確率を上げられるか
投票する事は、市民としてやるべき事/社会のためになる事/道徳的に善い事である
選挙日に、選挙に行かなければ他に何が出来るか


傾向として、投票する人は、
自分自身や社会にとって、他の候補よりずっと良い候補がいる、という強い意見を持っている人
自分1人が選挙の結果を変えられる可能性を大きく見積もっている人
投票する事に、感情的に、倫理的に、義務感を強く感じている人

投票しない人はその反対の傾向がある事になります。


ほとんどの有権者には、特定の候補が当選する事で大きく利益を得る事(というより、利益を得られる事が投票する時点で分かっている事)はありません。しかも、1票で選挙が変わる確率は宝くじのようなものです。なので、自分個人の事だけを考えて投票して割に合う人は、ほとんどいないはず。(自分個人の事だけを考えるのなら、仕事なり遊びなり、選挙以外の事をした方が得なので)

つまり、票のほとんどは、この候補なら国/町が良くなるだろう、という個人の意見を反映したものだと思われるわけ。

一応言っておくと、自分勝手な理由ではないのは、社会に取っていい事だ、とは必ずしも言えない事。例えば、個人的な交遊やビジネスでは○○(特定の民族、同性愛者、etc.)と問題無く付き合っているけれど、社会のあるべき姿としては、ここに○○はいない方が良い、と思っている人も(多分かなりの数)います。

テーマ : 政治学
ジャンル : 学問・文化・芸術

一言だけ

「宇宙は無重力」って、重力が働いてないわけじゃありませんよ。

宇宙船と中のものが、一緒に落ちてるんです。

テーマ : 物理学
ジャンル : 学問・文化・芸術

遊ぶコンピュータ

最近、無いはずの暇をコンピュータと囲碁をして潰してます。本当に最近の話で、1ヶ月もやっていないんですが、ちょっとまずい事になりました。もうちょっとでコンピュータと互角になり、そして追い抜いてしまいそうなんです。

といっても、全然自慢にはならないんですね、囲碁の場合。対戦相手はGNU Goというフリーウェアで、モンテカルロ法(後で説明します)を使わないプログラムだとトップクラスだとか。それでも、段級位でいうとせいぜい8~12級だそうです。


チェスとは大違いです。実は自分、高校の頃、結構マジメにチェスをやってたんで、そこらのカフェなんかでやってる人には大体勝つ自信があります。ですが、Macにタダで付いてきたチェスソフトとやると...強い設定だと全く勝てませんね。

チェスの世界チャンピオン(ガリー・カスパロフ、当時)に、Deep Blueというプログラムがマッチ戦で勝ったのはまあまあ有名かと思いますが、フリーウェアや廉価ソフトでも、世界中に1000人くらいしかいない、グランドマスターのランクを持つ人達といい勝負が出来ます。


どこからこの違いが出るかを一言でいうと、チェスは単純な計算能力である程度やっていけるけれど、囲碁はそうはいかない、という事になります。

コンピュータにとって簡単なゲームの例を挙げると、マルバツ、三目並べですね。これは文字通り全部の可能性を網羅して、相手がミスをしたら勝ち、ミスが無ければ引き分けに持ち込める戦術でプレーする事が出来ます。

まぁマルバツの場合は、人間でも暇があれば網羅出来るくらい試合のパターンが少ないです。

(3×3の盤に○5つ、×4つ置く方法は23個ある...と思います。これを確認するのが宿題。ただし、盤を回したり裏返して同じになるパターンは1回だけカウントする事。)


マルバツは極端な例ですが、チェスの盤の大きさは8×8で、駒の動きにはかなり制限があります。ある局面で打てる手は、せいぜい数十手。良いかもしれないな、と一見思われる手に限定すると、せいぜい5手くらいです。

毎回5つの選択肢を考慮した場合、10手先を読んでベストな手を見つけるには、5の10乗、約1000万個の局面を比較する事が必要になります。人間には無理ですが、コンピュータならこれくらいはチョロっと出来ます。

さらにチェスの場合、駒がどんどん取られて減っていくので、ゲームの終盤は人間、コンピュータにはとてもかないません。

(ところで、相手がキングだけの時に詰ませる方法というのが結構面白いんです。味方にクイーンやルークがいると簡単なんですが、いないと難しい。ビショップ2つはまあまあ簡単、ナイト2つだと相手のミスが無ければ無理。そしてビショップとナイト1個ずつはとんでもなく難しいけど出来るんです。)


囲碁の場合、盤面は19×19。381カ所に石が打てます。ルール上は、空いている所ならほぼどこでも置いていいので、1手の選択肢は常に100以上あります。

囲碁で10手先を読むとすると、100の10乗、100000000000000000000個(0が20個)の局面を比較しないといけません。これはまず無理。まぁ、本当は1度に100手も考えなくていいはずですが、20手でも大変な事になります。


将棋は、序盤はチェスと同じくらいの難易度だと思いますが、チェスと違って駒が減りません。そして持ち駒を打つのは盤上のほぼどこでもいいので、かなり選択肢は多いんですね。先を読むタイプのプログラムにとっては、チェスと囲碁の中間の難易度になります。


ここで、なんで人間がコンピュータより囲碁に強いかというと、経験則といわれるような、ちょっと曖昧な判断方法を駆使しているからです。

将棋と囲碁には、良い手、悪い手についての格言が沢山あります。「攻めは銀、受けは金」、「相手の急所は味方の急所」、などなど。こういった格言は、過去の名人達が経験から見つけた、「あ、大体当たっているな」、という法則を、初心者にも覚えやすい言葉にして残したものです。

必ずしも格言に従う事が良いとは限りませんし、2つの格言が違う手を打つよう言っているような場面もあります。でも上手な棋士になると、どの格言が適切なのか、どの経験則を使うのが適切なのかをちゃんと理解しているんですね(この理解も、経験則の1つですね)。この辺りの柔軟性が、これまで人間の書いてきたコンピュータプログラムには真似しづらい所です。


モンテカルロをまだ説明出来てませんが...これは後回しで。

結局何が言いたいかというと、人間の対戦相手を見つけないとな、って事です。ネット囲碁か、クラブに行くか...

テーマ : 心・脳・言葉・人工知能
ジャンル : 学問・文化・芸術

トゥマニ

昨日の夜はネットが繋がらず、更新出来ませんでした。

いきなりですが、トゥマニ・ジャバテ、世界一の楽器奏者かもしれないと思ってます。





弾いてるのは西アフリカの伝統楽器コラ。両手の親指と人差し指だけで、ベースライン、中音のメロディー、高音の即興演奏まで全部やってます。

もっと見たければYouTubeでどうぞ

コラのソロ演奏をはじめて聴いたのはいとこのママドゥ・ジャバテで、本当に感激したんですが、トゥマニを聴いた後でママドゥの録音を聴くと、チェンバロでバッハを弾いてるみたいに聴こえます。つまり、それはそれで面白いんだけど、音の強弱の付け方や、リズムのゆらぎがトゥマニには全然かなわないんです。


持ってるトゥマニのCDは↓

まずソロ演奏。上の2曲も入ってます。
ザ・マンデ・ヴァリエーションズザ・マンデ・ヴァリエーションズ
(2008/02/17)
トゥマニ・ジャバテ

商品詳細を見る


幼なじみのバラケ・シッソコとコラのデュエット。
New Ancient StringsNew Ancient Strings
(1999/06/22)
Toumani Diabat�

商品詳細を見る


これは、バラフォン(木琴)とンゴニ(バンジョー)と一緒。
DjelikaDjelika
(1995/09/05)
Toumani Diabat�

商品詳細を見る


最後に、ビッグバンドのリーダーに。上の3つは超絶民族音楽、これはポップです。
独立大通り独立大通り
(2008/07/27)
トゥマニ・ジャバテ&シンメトリック・オーケストラ

商品詳細を見る



追記:
危ない危ない。もう1つありました。
同じマリ出身のギタリスト、アリ・ファルカ・トゥーレとの共演。砂漠のブルースと言われたトゥーレのギターも面白いんですが、残念ながら2006年に亡くなっています。

イン・ザ・ハート・オヴ・ザ・ムーンイン・ザ・ハート・オヴ・ザ・ムーン
(2008/07/27)
アリー・ファルカ・トゥーレトゥマニ・ジャバテ

商品詳細を見る

テーマ : WORLD MUSIC
ジャンル : 音楽

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

プロフィール

アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

ブログ内検索
カレンダー
10 | 2009/11 | 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
リンク
RSSリンク
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。