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モノポリー

日本でも知られてるボードゲームですが、
元々は、市場を独り占めにする、「独占」という意味。

その独占について。


ETSと言う団体を知ってるでしょうか?

日本でも分かる話でいうと、
TOEICやTOEFLなどのテストを作っているアメリカの非営利団体です。
(Educational Testing Serviceの略)

アメリカでは、大学進学のためのSATというテストや、
大学院進学の際のGREも、ETSが主催しています。


こういう大事な話を、記事の真ん中でさりげなく言うのもどうかと思いますが、
実は秋からの転校の手続きをしていて、
GREのスコアを転校先に送らないといけませんでした。

GRE受験の際に、ETSは無料で4校にスコアを送らせてくれるんですが、
5校、6校と受けたい場合や、僕のように受験してから時間が経っている場合には、
1校につき$20の手数料を取られます。

電話でこの手続きをすると、さらに$10だか取られるようだったんで、
郵便で今月の6日頃に申請をしたんですね。


10営業日以内に処理される、と書いてあったんで、嫌な予感はしてました。
案の定、クレジットカードから$20が引き落とされたのは、2月20日になってから。

見事に10営業日、フルに使ってくれました(苦笑)


なんでこうなるかと言う理由は、
「アメリカではサービスが悪い」という事ではないと思います。

問題なのは、ETSが一種のモノポリーだという事。

GREにしろ、TOEICにしろ、
入りたい学校や企業がスコアを要求した場合、
代わりに受けられるテストはありません。
(SATには、ACTっていうもう1つのテストがあるんですが)

試験を受けるのにも、正式なスコアを送るのにも、
ETSを通じてやるしかない。
つまり、ETSにとっては、競争相手がいないので、
値段を安くしたり、サービスを良くする理由がないわけです。

ETSが避けないといけないのは、
「非営利団体なのにこんなに金を取ってるのはけしからん」、
と騒ぐ人が大量に出るような事だけです。
それさえ無ければ、大体なんでもしていいというわけ。


大抵の国に、市場の独占を防ぐための法律があるのは、
こういうやりたい放題の状態を避けるためです。

フェアな競争があれば、
それぞれの会社が、より良いものやサービスを、より良い価格で提供できるよう努力しますが、
独占されているとそれが起こらない。
資本主義が機能しない、という事です。

ETSの場合は、非営利団体という肩書きを持つ事で、この法律を通り抜けてます。
プロスポーツがどうやって通過してるのかも面白い話ですが、これはまたの機会に。


最後に1つだけ書いておきたいのが、
ETSがやりたい放題なのは、ETSが「悪いやつら」だからだ、
という論調はおかしい、という事。

問題なのはあくまで、
価格を下げたり、サービスを良くする理由(インセンティブ)がない事です。


「独占していても、善意があれば、もっと低い値段でもっといいサービスが出来るだろう」
と外野が言うのは簡単。

でも、ETSのトップの人の身になって考えると、
それを達成するためには、自分の給料を減らしたり、従業員をクビにしないといけません。
相当の理由が無ければ、普通の人には出来ない事です。

会社に限らず、目に付くものを、良いやつだ、悪いやつだ、
と判断したがるのが人間だと思いますが、
その人がその行動を選んだ背景に、どういうインセンティブが働いているのか、
考えてみるのは常に大事な事だと思います。
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テーマ : 経済学
ジャンル : 学問・文化・芸術

どこが強いんだかさっぱり

先週、コネチカットに勝って1位になったピッツバーグが負けました。



相手はプロヴィデンス。
うーむ、弱くはないですが、ナンバー1が負けちゃいけない相手です。
コネチカット戦で大活躍だったブレアがファールトラブルで空回りだったようです。


昨日は3位のオクラホマも、
前の試合で脳震盪を起こしたブレイク・グリフィンを休ませて、
カンザスに負けました。

まぁ、グリフィンが出なかったのは、
NCAAトーナメントのシードを決める際に考慮に入れてもらえます。
トーナメントまでにグリフィンが復帰出来るようなら、
この2連敗は無視してもらえる、と。


本命グループのコネチカット、ピッツバーグ、ノースカロライナが、
どれも1位に上がるたびに躓いてしまうようで。

静かに株を上げてるのが、ルイヴィルです。
今年も強いBig Eastで、コネチカットと並ぶ13勝2敗。
1番シードを上の3チーム+オクラホマのどれかから奪うとすれば、
まずルイヴィルだと思います。
(メンフィスに取って欲しいですが、
前にも書いたようにゴンザガ以外、大きい勝ち星が無いので)

ルイヴィルの4年生、テレンス・ウィリアムスが、
誰かにすごく似てるなぁ、と思って考えてみると、
体格といい、動きといい、コーリー・マゲッティにそっくりなんです。

マゲッティほど得点力が無い分、
トリプルダブルも記録できるパサーです。
トーナメントでも要注意。


デュークやゴンザガなど、危険なチームは他にもありますが、
大穴で推したいのがウェストバージニア。

Big Eastで8勝6敗、総合成績も19勝8敗でパッとしませんが、
勝つときはバカ強いチームだと思ってます。
いいところが出せればどこにでも勝てる感じ。

テーマ : バスケットボール
ジャンル : スポーツ

リッキー・ヘンダーソン

1ヶ月遅れのネタですが。
リッキー・ヘンダーソンの殿堂入りが決まりました。

Rickey

僕が小学校に入った時にはすでに伝説の人で、
大学にいるときまでプレーしてた、というすごい人ですね(笑)

恐らく永遠に破られないはずの盗塁の通算記録(1406)の保持者で、
2295回、ホームベースを踏んだのも記録です。


以下、ビル・ジェームズの本とBaseball Referenceを参考に

29歳までの盗塁数
1.リッキー・ヘンダーソン 794
2.タイ・カッブ 648
3.ビリー・ハミルトン 638
4.ヴィンス・コールマン 586
5.ティム・レインズ 585
6.セサル・セデーニョ 475
7.エディー・コリンズ 456
8.ヒュー・ダフィー 452
9.ウィリー・ウィルソン 436
10.ジョン・マグロー 434

30歳からの盗塁数
1.リッキー・ヘンダーソン 612
2.ルー・ブロック 604
3.オーティス・ニクソン 515
4.ホーナス・ワグナー 464
5.デイヴィー・ロペス 458
6.ハリー・ストーヴィー 441
7.トム・ブラウン 414
8.モーリー・ウィルス 390
9.ダミー・ホイ 379
10.アーリー・レイサム 372

両方で1位なだけじゃなく、
両方でトップ10に入ってるのも、リッキーだけ(笑)


ビル・ジェームズは、
打者の、ヒットの数(と打率)で測れない活躍を測るために、
Secondary basesという指標を考案しました。

直訳すると、二次塁、でしょうか。
シングル以上に稼いだ塁、って事です。
計算式は、
塁打-安打+四球+盗塁。
(盗塁失敗を引く場合もあるみたいですが)

これの歴代ランキングは、

1.バリー・ボンズ 6113
2.リッキー・ヘンダーソン 5129
3.ベーブ・ルース 5105
4.ハンク・アーロン 4727
5.ウィリー・メイズ 4584
6.テッド・ウィリアムズ 4275
7.スタン・ミュージアル 4181
8.カール・ヤストレムスキー 4133
9.フランク・ロビンソン 4054
10.ジョー・モーガン 3999

リッキーの通算打率は.270なんですが、
それでも史上最高の1番打者と言われる所以です。
539人中28人も、殿堂入りの票を入れなかったのが、
「リッキーに入れないのなら、誰に入れるんだ」、と逆に騒がれてます。


一緒に殿堂入りするジム・ライスは、
ここで落ちたらもう入れない、15年目の投票で入りました。

うーむ、それなりの数字は残してるんですが、
打者に優しいレッドソックスのフェンウェイパークに助けられた部分が大きいです。
アウェイでは打率.277、出塁率.330、長打率.459。
失礼ながら言わせてもらうと、そこまですごい選手とは思えません。

テーマ : MLB
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あらら

昨日、トップ3の一角に挙げたUNCが負けちゃいました。



それでもやっぱりトップ3だと思いますが。


ここまでの成績はいいけど、UConn、ピット、UNCからは落ちると思うのが、オクラホマ。

ブレイク・グリフィンは、ドワイト・ハワードとカルロス・ブーザーの中間と言った感じの選手。
NBAドラフトの1位指名はほぼ確実と言われてます。

今日のテキサス戦では、脳震盪で途中からアウト。
チームも負けてしまいました。



意識を失ったりはしなかったようですが、後遺症の可能性の高い怪我です。
心配ですね...


上位が不安定なシーズンです。

今年のメンフィスは、ゴンザガにアウェイで圧勝した以外は、
そんなに目立った勝ち星が無いんで、
普通の年なら、NCAAトーナメントの3、4番シードでも仕方ないかな、と思う所。

でも今年は、どうやらここから負けずに進めれば、2番シードは確実、
棚ぼたで1番シードが貰えるかも、って状況です。

テーマ : バスケットボール
ジャンル : スポーツ

今週のハイライト

月曜は、ワシントンの誕生日にちなんだPresidents Dayの祝日。
カレッジバスケのビッグゲームがありました。

1位コネチカット対4位ピッツバーグ



コネチカットの7フィートのセンター、ハシーム・サビートを、ピットのデワン・ブレアが圧倒。
背負い投げで一本もありました(笑)
しかも投げられた方のサビートにファール(笑)
Big Eastのバスケは、
Big Eastのアメフトよりコンタクトが多いんじゃないかと思うくらいフィジカルです。

良い試合でした。
今のところ、この2チームとノースカロライナがトップグループじゃないかと思います。


ハイライトもう1つ。
今現在NHLのベストプレイヤー、アレクサンドル・オベチキンのゴール。

テーマ : スポーツ全般
ジャンル : スポーツ

日常のパラドックス

彼女と一緒に行きたいコンサートがあるとします。(彼氏、妻、etc.自由に代用どうぞ)

人気グループなので、長い列に並んでチケットを買う事に。
早目に出発して並んだのですが、それでも前には沢山人がいます。
そして、あと20人くらいと言うところで、売り切れ。

見回すと、買いそびれた人を狙って、ダフ屋がすでに現れてます。
仕方ないのでダフ屋の方へ向かってみます。

ダフ屋の近くに行ってみると、
1枚3万円なんて値段を吹っかけてます。
しかも、その値段で買ってる人さえいます。

2枚買うには6万円...さすがに諦めるしかありません。


2人で楽しみにしていたコンサートに行けないという事で、
しょんぼりと、下を向いて歩いて帰ります。

すると、道端に汚れた封筒が。
拾って見てみると、行きたかったコンサートのチケットがちょうど2枚入ってます。

これでコンサートに行ける。ラッキー。





...と誰でも思いますよね。(良心の呵責はあるにしても)

でも、ここで待った。

チケット売り場に戻って、転売すれば、6万円儲かります。
売りに行きますか?それとも、コンサートに行きますか?

6万円で売れる、と言われても、
ほとんどの人が、コンサートに行くはずだと思います。


ダフ屋から買う時には、
6万円払うほどのチケットではない、と判断したのに、
売る事のできる立場に立ったら、
6万円でもこのチケットは売れない、という判断をしてるわけです。

これが、パラドックス。


「合理的」とは言えない判断です。
でも、ほとんどの人がその判断をするという事は、
理由があると思われます。

この理由が何なのか考えるのは、結構面白いです。


「経済学」について、ちょっと誤解をしていたようで、
最近気が付いて少しかじってます。

国全体などの経済の動きを研究するマクロ経済学より、
個人レベル、会社レベルの判断を研究するミクロ経済学が、俄然面白いです。

マクロだと、色んな理論はあるけれど、
どれも、本当にそうなのか?と言う疑問が拭えません。
ミクロなら、ゲーム理論などの手法でハッキリとした答えが出せて、
検証する事もできます。

上の話の元ネタは、EconTalkというPodcastのこの回


もう1つ誤解してたのは、Computer science。
日本語だと計算機科学といわれる分野です。

実際のコンピュータのハードウェアやソフトウェアの設計に関する学問じゃなくて、
この問題はどれくらいの数の計算をすれば解けるのか、とか、
どういうアルゴリズムが効率がいいのか、という分野なんですね。

人工知能の話もComputer scienceに分類される部分があって、
元々興味があるはずの分野だったのに、気付いてなかった。
なんとも恥ずかしい話です(笑)


まぁ、大学時代に気付いていても、
Computer science単独の学科じゃなくて、
Computer science and engineeringという、
実際の設計をする工学の部分も入った学科だったので、
授業として受けてたかどうかは疑問です。
(制度的には別に受けても問題ないんですけど、
工学の空気が、ちょっと肌に合わないんです)

テーマ : 経済学
ジャンル : 学問・文化・芸術

読書のススメ

(最近多い)この本がオススメ、って話じゃなくて、
読書がオススメ、って話。


「心の社会」、ほぼ読み終わったんですが、
このブログで書いた話が(ここからどうぞ)、後半になってからどんどん出てきました。

この本に書かれてるとは知らずに自分はブログに書いてたんですけど、
心の半分は、ミンスキーと同じ事考えてたのが嬉しくて、
もう半分は、ミンスキーも同じ事考えてたのでがっかり(笑)

自分で考えてみるのは大事ですが、
同じ問題を、他の人がどういう視点で見てるのか知るのも大事ですね。


もう1つ、読書は大事、と思ったのは、
ランチを一緒に食べてる時の同僚の質問。

「アジアの中で、日本が技術的に進んでるのは、
土地が足りないから、農業から製造業に移行した、って事なのか?」と。

どうやら、経済学の基本を自前で考え出した模様(笑)
それは、「比較優位」っていうんだぞ、と言っておきました。

貿易が出来る場合には、どこにでも応用できるアイディアだと言う事とか、
(例えばアメリカの州の間でも)
日本の場合、植民地化されなかった事など、歴史的要素も大きかった、
という説明もしましたけどね。


自前で思いついたアイディアの方が理解が深い、っていうのはあるんですけど、
こういう基本的な話は、本などで読んで知っておいた方がいいんじゃないかと思うんです。
人間の色んな知識を1人で再構築できる人なんていませんから。


なんだかんだ言って、どっちも似たような話ですね。
教訓がほぼ一緒じゃないか、と(笑)

テーマ :
ジャンル : 本・雑誌

考える選手と言えば

田口壮選手もいますね。

今年も、「ほぼ日刊イトイ新聞」で対談がありました。
で、今年も面白いです→リンク(10回に分けての連載でした)

昨日挙げた現役選手ほど、
スポーツ以外の話がしてみたいな、とは思わないんですが、
野球の話ができたら相当面白そうです。

でも、カブズに移籍ですか...今年は応援できません(笑)

あ、そうそう。
カブズのルー・ピニエラ監督は、「信長タイプ」の可能性ありです。
イチローが初めてメジャーに来た時のマリナーズ監督ですね。
...イチローから、どういう監督かすでに聞いてるでしょうね。

テーマ : MLB
ジャンル : スポーツ

頭脳派プレイヤー

現役のプロスポーツ選手で、
スポーツ以外の事で知的な会話が出来たらいいかも、
と思う人が何人かいますが、
不思議な事にほとんどがNBA選手なんです。

NBAだと、ティム・ダンカン、ディケンベ・ムトンボ、シェーン・バティエ、パウ・ガソル。
MLBならジェイミー・モイヤーとジェフ・フランシス。
NFLは...思いつきません。強いて言えばペイトン・マニングかなぁ。
他だと、ロジャー・フェデラー。

なんででしょうね。


この話をするのは、
New York Timesに、バティエの話が書いてあったんです。(こちら

タイトルは、"The No-Stats All-Star"
得点やリバウンドなどのStatsを稼がないで、チームに貢献してるって話なんですね。

その部分は、バティエのいる間、3年連続でプレーオフに出て、
彼がロケッツにトレードされてからはドアマットになってるグリズリーズのファンなら、
言われないでも知ってる事です(苦笑)

でも、黒人の父と白人の母を持った事から自分のアイデンティティーに悩んだ事、
同じ高校を卒業したばかりだったクリス・ウェバーとの比較に苦しんだ事、
大学を選んだ時の、18歳とは思えない行動など、初めて聞く話でした。


ドラフトの後、メンフィスで初めてのインタビューからすでに、
ベテランのような雰囲気で(笑)
ただ者じゃないのは分かってましたけどね。

トレードされた時も、
メンフィスの新聞に、ページ半分の広告スペースを取って、
ファンへのお別れの手紙を書いた人です。(これは今も取ってあります)

...そういえば、知り合いの知り合いなんだった。
本当に話そうと思えば話せるのかもしれません(笑)


で、このTimesの記事を書いたのがマイケル・ルイス。
そう、「マネーボール」を書いたマイケル・ルイスです。

マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)
(2006/03/02)
マイケル・ルイス

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「マネーボール」は、メジャーリーグのフロントオフィスが、
緻密な統計で選手のパフォーマンスを測って、
重要な判断材料としはじめているのを書いた本でした。

今そう言った手法が、NBAでも取り入れられ始めている、
って言うのが今回の記事のポイントの1つでした。
バティエは普通のスコアに出る数字では並以下の選手だけど、
チームに与える影響をよーく測ってみると、飛び抜けて良い、というわけ。


野球ファンなら一度は、
「俺が監督ならこうする」
っていう考えを持ったことがあるんじゃないかと。

「マネーボール」は、そんな人には絶対にオススメしたい本です。


マイケル・ルイスは、ライターになる前(80年代)は金融業界に勤めていて、
その頃の、バブリーな業界事情を「ライアーズ・ポーカー」という本にしたのが作家デビューでした。

ライアーズ・ポーカー (ウィザードブックシリーズ)ライアーズ・ポーカー (ウィザードブックシリーズ)
(2005/12/17)
マイケル・ルイス

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これはまだ読んでないんですが、トピカルなのでちょっと興味が。
去年の終わりには、今回の金融危機についても記事を書いてました。(これ

正直な所、「マネーボール」の野球の部分は少し理解が浅い気がしたんですが、
ルイスの物書きとしての技量は相当のものだと思います。

Moneyball: The Art of Winning an Unfair GameMoneyball: The Art of Winning an Unfair Game
(2004/04/21)
Michael Lewis

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Liar's Poker (Hodder Great Reads)Liar's Poker (Hodder Great Reads)
(2006/06/05)
Michael Lewis

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テーマ : NBA
ジャンル : スポーツ

ダーウィン生誕200周年

今年は「種の起源」出版150周年でもあるんですよね。(これは11月)

チャールズ・ロバート・ダーウィン、
言うまでもなく科学史の巨人です。


家畜や植物の交配は、昔から行われていたわけで、
進化論は、「コロンブスの卵」的発見と言えるかもしれません。
一度説明されれば、当たり前じゃないか、と言われそうな。

ただ、ダーウィンが進化論を考え出した時には、
遺伝子の存在は知られていませんでした。
(メンデルの研究は1860年代で、しかも当時は注目されなかった)
この情報無しで、正しい説を組み立てられたのは、見事としか言えません。


有名な反面、誤解も色々とある人です。

「社会の進歩のため」として、
社会の強者が弱者を駆逐するのを正当化する「社会進化論」は、
ダーウィンの曲解ですが、
ナチスなどの民族主義を掲げる人達に取り入れられてしまいました。

生き物がよく使う器官が進化して、使わない器官が退化する、
というラマルキズム(用不用説)も、よくある誤解です。
(キリンの首が長いのは、首を伸ばしていたからじゃないですよ)


物理学者の中には、
全ては物質で出来ているのだから、
物理学で全ての現象が説明できる、と勘違いしている人が時々います。

確かに、化学は物理学の応用でしかない、とは言えるんですが、
進化論は、物理学とは全く別のレベルで自然現象を説明する試みです。
進化論が当てはまるのは、
自らを複製することが出来るもの(遺伝子は1例)なら何でも。

これは物理法則とはハッキリ言って関係ない話で、
物質の構造がこうなってるから、進化論が成り立つ、というような事は言えません。
(この本のどこが面白いの?と聞かれて、
インクが紙に付いてるところ、と答えるくらい的外れです)

進化論も、素粒子の理論と同じくらい、「根本的」な科学の理論だという事。


この、現象のレベルの違い、という考え方は、
昨日紹介したGEBのテーマの1つです。

脳には知能がありますが、脳細胞1つには知能があるとは言えません。
部品に分ける事で何でも説明できるわけではない、という事です。

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版
(2005/10)
ダグラス・R. ホフスタッター

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本題の進化論の本は、個人的にはリチャード・ドーキンスがオススメ。
(他にあまり読んでないのもありますが。
どうせだからダーウィンの本を読んでみようかな、と最近思ってます)

まず、多分一番有名な、「利己的な遺伝子」。

進化論で進化するのは、種でも個体でもなく、遺伝子だ、
というのがこの本のテーゼです。

利己的な遺伝子 <増補新装版>利己的な遺伝子 <増補新装版>
(2006/05/01)
リチャード・ドーキンス

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The Selfish GeneThe Selfish Gene
(2006/05/25)
Richard Dawkins

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ただ、「遺伝子の川」の方が、入り込みやすいかもしれません。
内容は大体、「利己的な遺伝子」を噛み砕いたものです。

遺伝子の川遺伝子の川
(1995/11)
リチャード ドーキンス

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「目的」を持っていないはずの進化が、
どうやって複雑な器官を作り上げたのかを説明するのが、「盲目の時計職人」。
これも面白いです。

盲目の時計職人盲目の時計職人
(2004/03/24)
リチャード・ドーキンス

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The Blind WatchmakerThe Blind Watchmaker
(2006/04/06)
Richard Dawkins

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テーマ : 生物学、生態学
ジャンル : 学問・文化・芸術

参考図書

ここ1週間の記事関連の本、興味があればどうぞ↓
(学術系の本、日本だと高いですね。図書館か古本屋が狙い目かも)

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版
(2005/10)
ダグラス・R. ホフスタッター

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Godel, Escher, Bach: An Eternal Golden BraidGodel, Escher, Bach: An Eternal Golden Braid
(1999/02/04)
Douglas R. Hofstadter

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まずは、座右の書といってもいい、GEBこと"Gödel, Escher, Bach"。
といっても、何度も読み返してるわけじゃないですが。

科学と文学の合間で遊ぶ本です。

一般にはあまり言われませんが、
科学は、芸術と同じくらい創造力が必要な活動です。
科学と芸術に共通するテーマを通じて、
創造性というのはどこから現れるのか、考えさせてくれる本です。


マインズ・アイ―コンピュータ時代の「心」と「私」〈上〉マインズ・アイ―コンピュータ時代の「心」と「私」〈上〉
(1992/11)
ダグラス・R. ホフスタッターD.C. デネット

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マインズ・アイ―コンピュータ時代の「心」と「私」〈下〉マインズ・アイ―コンピュータ時代の「心」と「私」〈下〉
(1992/11)
ダグラス・R. ホフスタッターD.C. デネット

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The Mind's I: Fantasies and Reflections on Self and SoulThe Mind's I: Fantasies and Reflections on Self and Soul
(2001/01)
Douglas R. HofstadterDaniel C. Dennett

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GEBの著者ホフスタッターと、哲学者ダニエル・デネットが編集した、
知能と意識に関連するフィクション、ノンフィクションの短編集。
ボルヘスに入り込んだのはこの本のおかげでした。

原題は、mind's eye(心眼)にかけたジョーク。
訳書の副題の、「コンピュータ時代の」云々は、はっきり言って関係ないです(笑)
僕の記事と同じで、人工知能の話を出すのは、
あくまで、人の知能の話をするため、です。
(これは訳書のタイトルを決めた人が分かってなかったのか、
それとも「コンピュータ時代」と題に付ければ売れると踏んだのか...)


心の社会心の社会
(1990/07)
安西 祐一郎Marvin Minsky

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The Society of Mind (A Touchstone Book)The Society of Mind (A Touchstone Book)
(1988/03)
Marvin Minsky

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AIの父と言われるマーヴィン・ミンスキーの本。
この本は今読んでる途中です。

1ページのエッセイを300本近く繋げた本で、
どのエッセイも独立して読めるくらい完成されています。

人間の脳の中でどういう事が起こっているのか、
毎日毎晩考えてないとこんな本は書けないだろうな、
と思わされる観察力・洞察力です。


The Emotion Machine: Commonsense Thinking, Artificial Intelligence, and the Future of the Human MindThe Emotion Machine: Commonsense Thinking, Artificial Intelligence, and the Future of the Human Mind
(2007/11/13)
Marvin Minsky

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これは同じミンスキーの本で、読み終わったんですが、
知能全般に関わる「心の社会」より、感情に焦点を当てた本です。

ただ、内容は主に、「心の社会」の感情に関わる部分を組みなおしたような感じで、
そんなに新しいアイディアが詰まっているわけではないように思います。
あと、訳がまだ無いので、まずは「心の社会」かな、と。


解明される意識解明される意識
(1997/12)
ダニエル・C. デネット

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Consciousness ExplainedConsciousness Explained
(1992/10/20)
Daniel C. Dennett

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これは、これから読む予定、
「マインズ・アイ」の編者のデネットが意識について書いた本です。


What Is Thought? (A Bradford Book)What Is Thought? (A Bradford Book)
(2006/03)
Eric B. Baum

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これも、これから読む予定。
タイトルが「思考とは何か?」。そのまんまです(笑)


皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則
(1994/12)
ロジャー ペンローズ

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The Emperor's New Mind: Concerning Computers, Minds, and the Laws of Physics (Popular Science)The Emperor's New Mind: Concerning Computers, Minds, and the Laws of Physics (Popular Science)
(2002/12/12)
Roger Penrose

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物理学者ロジャ・ペンローズが、意識について考えた本。
意識は量子力学で説明できる、というスタンスで、
これに賛成できないので最後に紹介する事にしましたが、
この問題に関連する物理学については、かなり丁寧に書いてある本だと思いました。

タイトルは、裸の王様(Emperor's New Clothes)にかけたもの。
機械で人工知能が作れる、と言っているAI研究者に対して、
その機械に本当の知能は無いよ、と言ってるわけです。


以上、自分が持ってる本だけなので、
網羅してるわけじゃありませんが、参考にどうぞ。

テーマ : 心・脳・言葉・人工知能
ジャンル : 学問・文化・芸術

ジレンマ?

問いかけ、その答え1答え2から読まないと、多分意味不明です)

「機械がチューリング・テストに合格することは出来るのか?」
という問いかけへの3つ目の答えは、
3.合格することは可能で、それはその機械が知能を持っていると言う事。
でした。

シリーズここまでで、
どうやら、この答えが正しいらしい事が説明できたと思います。


でも、この答えにも1つ問題があります。

最初の答えの記事で、こんな機械の話を出しました。

脳細胞の真似が出来る部品を作って、
人の脳の中で脳細胞が繋がっているのと全く同じように、
その部品を繋げていきます。

そうやって出来た装置に、
人に与えるのと同じ刺激を与えたら、同じ反応をするはずですよね?


記事の主旨は、こんな機械を作る事が、原理的には可能だ、という事でした。

この機械を、「脳シミュレーター」と呼ぶことにします。
フライトシミュレーターは、飛行機の操縦体験を100%真似できるわけじゃないですが、
脳シミュレーターは、脳を完璧に真似してくれる機械です。

あなたの体中の神経から脳に送られる信号を再現して、
あなたの脳を真似て作った脳シミュレーターに送ってあげれば、
脳と脳シミュレーターの中では、全く同じ考えが巡って、
全く同じ行動をするように指示の信号が出てくる、っていうわけ。


ここで、違和感、感じませんか?

僕らは、毎秒のように色々な選択をしています。
なにをしようか、どっちに行こうか、なにを言おうか、etc.

そして、こういった選択は、
どれを選ぶ事も可能で、
それを自分の意思で選んでいるものだと思っています。
自由意志」といわれるものですね。


脳シミュレーターは、どうでしょう?
脳シミュレーターを、同じ条件で繰り返し稼動させると、
毎回同じ考えをして、同じ行動を起こします。

という事は、
もし脳シミュレーターが、本当に僕たちの脳を100%真似しているのなら、
実際に選ばれなかった選択肢は、元々選ぶ事が出来なかったという事です。
自由意志なんて、無いわけです。


こんなおかしな事はありえない、と言いたいかもしれません。

ここで、僭越ながらシャーロック・ホームズになりきってみます。

ワトソン君、と(笑)

全ての不可能を消去して、最後に残ったものがいかに奇妙なことであっても、それが真実なのだよ。
(『4つの署名』より)


自由意志が無い、というのはとっても奇妙な話ですが、
ここまでの記事で説明した理由で、
他の選択肢は、もっとありえないわけです。
(「不可能」では無いですが)


なぜ、自由意志があるように感じられるのか?
という質問には、こういう答えが出来ます。

脳の働きの中で、意識に上るものはほんの一部でしかありません。
脳の中で、なにをどうやって感じたり、覚えたり、考えたりしているのかは、
当の本人にも全くと言っていいほど分かってないんです。

脳の中で起こっている事について、
自分の意識が当てにならない例は、いくつもあります。

目の錯覚を起こすように作られた画像は、
トリックだと意識では分かっていても、錯覚してしまいますし、
夢を見ている間は、これは実際に目で見ている事なのだ、と意識では思っているわけです。


こういった、意識が当てにならない例があるんですから、
自由意志など本当はないのに、あるように思ってしまっている、というのも、
十分可能な事だと思えないでしょうか?



最後に一言。

実は、量子力学という抜け道がある事はあって、
脳シミュレーターの反応が、毎回一緒ではなくて、ランダムで選ばれる、という可能性はあります。
ただ、脳の中に、普通の物理法則で表せない「魂」があるのでもなければ、
自由意志が無い、というのには変わりがありません。

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他人の知能

(読んでない人は、問いかけ最初の答えからどうぞ。)
機械がチューリング・テストに合格する事ができるのか、
という問いへの、2つ目の答えに進みます。


2.合格することは可能だが、その機械に知能があることとは別の話。

この答えは、ハルオさんのコメントが1例だと思います。
(誤解だったら教えてください。
もしかしたら、知能の話はしていないかも、とは思ってます。)

私、個人の意見としてはある意味で可能かと
厳密に言えば不可能かと
ジャッジするものが人間だと前提にするならば、人間を騙しきるスペックだけを持てば良いわけだから、これはハードとソフトの問題それはいつかは別にして時間の問題と思います
しかしなが、思考方法、思考回路はまったくの別物にはなるでしょうし、人間は騙せても、方法は別にしてひとつひとつをしかるべく吟味したならまず判別はつくのかと


会話するだけなら、
機械が人間をだまして、人間だと思ってもらうことは可能だけど、
その発言にたどり着く経路が人間とは違うので、
人間の知能とはどこかが本質的に違う、という意見です。


ここで疑問なのは、
僕たち人間が、
なにをもって他人が知能を持っていると判断しているのかです。

ハルオさんには実際に会ってるので当てはまらないんですが、
adbmalさん、kashさんとは、僕は会ったことがありません。
それでも僕は、この2人は知能を持った人間だと仮定して接していますし、
向こうでも、僕が知能を持った人間だと考えてコメントしてくれてるはずです。


それは、相手が人間の脳を持って、
人間の思考回路で考えていると知っているからではありません。
他人がどういう思考回路で考えているのかは、面と向かっていても分かりませんし。

人間として認め合っている理由は、
外からの刺激に対して、人間らしい反応をする
という、アウトプットの人間らしさだけです。

つまりそれは、僕とこの2人が、
ブログ間の交流というチューリング・テストに合格しているからに他なりません。(*)


現実的な話をすると、
今の機械はそこまで進んでいないから、
ブログで交流が出来るのは人間しかない、とは言えます。

でも前回話したように、
原理的には、見聞きした事をブログに書いたり、
学習したり、議論する機械が作れない理由はないと思われます。

もしそんな機械が将来作られたとして、
それは人間をだましているだけで、人間の知能とは違うものだ、と言えるでしょうか?
もし、その機械が知能を持っていないというのなら、
他人に知能があるとする理由はなんなんでしょう?


これが、チューリング・テストの核心ですね。

そもそも知能とは何か?という疑問に対して、
こういうステップを踏んで、こうするものが知能だ、
という風な簡単な答え方は、少なくとも今のところは出来ないわけです。

なのに、僕たち人間は、周りの人間が知能を持っている事に確信を持っている。

それはなぜか?と考えた結果、
チューリングはチューリング・テストを提案したわけです。
人間のような結果が出せるのなら、
そこに至ったプロセスとは関係なく、その機械には知能がある、と。


どこまでは知能じゃなくて、どこからが知能、
というハッキリした境界線は、永遠に引けないものだと思います。

ですが、長期間の人間との交流の中でも、
知能を持った存在だと思わせ続けられる機械は、
本当に知能を持っていると認めないといけないだろう、と自分も思うわけです。

続き

(*)
不合格の例も一応挙げておくと、
検索で引っかかった記事全部にトラックバックするブログや、
「興味深いブログですね。うちのブログもよろしくおねがいします」
という明らかに記事を読んでないコメントなど。

どっちも、もし人間が手作業でやっていたとしても、
その人間は、ごく単純な機械の一部品になっているようなもので、
行動の背景に、知能のある存在は見えません。

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チューリング・テスト

人間の判定者が、一人の(別の)人間と一機の機械に対して通常の言語での会話を行う。このとき人間も機械も人間らしく見えるように試みている。これらの参加者はそれぞれ離れた場所におり、言葉を音声に変換する能力ではなく機械の知性を判定するために、会話はキーボードとディスプレイのみといった、テキストのみでの交信に制限されている。判定者が、機械と人間との確実な区別ができなかった場合、この機械はテストに合格したことになる。
Wikipediaより)

この、チューリング・テストと言われる試験に、
機械(コンピュータ)が通過する事が出来るのか、
昨日の記事で問いかけてみました。

この際、テストの条件は一番厳しくして、
時間制限など無しで、何についてでも質問することが出来るものとします。


この問いには、基本的に3つの答え方があると思います。

1.機械がチューリング・テストに合格することは不可能。
2.合格することは可能だが、その機械に知能があることとは別の話。
3.合格することは可能で、それはその機械が知能を持っていると言う事。

1、2、3の順に、それが正しかったらどういう意味があるのか、考えてみます。
(多分ブログの記事3本になります)


1.機械がチューリング・テストに合格することは不可能。

ドラえもんやガンダムのハロなどで育ってる日本人には、
人工知能は、可能なんじゃないかな、と言う意見が多いんじゃないでしょうか。
というわけで、日本では珍しい答えじゃないかと思います。


この答えに対する最大の疑問は、
機械と、脳の根本的な違いは何?

機械に脳の真似をする事が絶対に出来ない、と言うからには、
脳のつくりには、機械とは全く別の要素がある、と言っている事になります。
その要素は、なんなのか?


聞き方を変えてみます。
脳細胞の真似が出来る部品を作って、
人の脳の中で脳細胞が繋がっているのと全く同じように、
その部品を繋げていきます。

そうやって出来た装置に、
人に与えるのと同じ刺激を与えたら、同じ反応をするはずですよね?
これが出来ない理由はあるんでしょうか?


もしあるとすれば、それは、
脳細胞を真似する装置は原理的に作れない、
という理由しか見当たりません。

それがどういう意味かと言うと、
脳細胞は、普通の物理法則から外れた働きをする、と言う事。

これは、受け入れ難い結論だと思います。
外れる事の出来る物理法則なんて、法則でないも同然ですから。

(たとえ話:
ある朝、「あなたは今日事故にあう」と占い師に言われたとします。
もし事故にあったら、その占いは当たり。
もし事故にあわなかったら、「占いを聞いて注意したからです」という事で当たり。
外れても「当たる」予測は、予測ではありません)


もしも、もしも脳細胞にそんな抜け道があったとします。
だとすると、こういった質問に答える必要が出てきます。

普通の物理法則を外れられるのは、人間の脳だけなのか?
その区切りはどこ?霊長類?哺乳類?脊椎動物?

胎児の脳が発達するにつれて、徐々に外れられるようになっていくのか、
それとも、ある時点でいきなり外れられるようになるのか?


これは個人的な意見ですが、
この2つの問いにどうやって答えても、
必然性のある、納得のいく答えとは思えません。


この記事の話をもっと分かりやすくするために使える言葉があります。
先入観が色々とあるので最後まで取っておきましたが、
気付いた人もいるかもしれません。

「魂」です。

原理的に、機械に脳の真似をする事が絶対に出来ない、というのは、
普通の物質の世界とは別に、魂の世界がある、と言っているわけです。
(さらに、機械には魂は宿らない、とも言ってるわけですね)

これは、デカルトの考えと重なります。
この一貫性はある意味、デカルトが物事の根底までしっかりと考えていた証拠の1つですね。


これが絶対にありえない、とは言いません。(言えません)

ただ、これがアリなら、何でもアリなわけで、
この世界がなぜこうなっているのか、という説明としては、
とても力の弱いものだと思うんです。

続き

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考える機械

最近、読んで衝撃を受けた文章があります。
英語で読んだんですが、以下、自分の訳。

「もし、外見から内臓まで、サルのような理性の無い動物にそっくり似せた機械があったとしたら、その機械が元の動物とは違うものだと判断することは出来ないだろう。しかし、人間の体とそっくりで、人の行動も可能な限り真似することの出来る機械があったとしても、この機械が人間ではないと判断するための方法が2つ残されている。

1つ目の方法は、この機械には、考えを他人に伝えるために、言葉などの記号を並べて交信する事ができないという事だ。

(中略)

2つ目の方法は、このような機械が、色々な作業を人間以上の能力でこなすとしても、他の作業を行わせてみれば、知識をもって動いているのではなく、設計された通りの働きしかする事が出来ないのが分かるという事だ。」



人工知能についての本を読んだ事のある人なら多分知っていると思いますが、
上に書かれているような、機械か人間か区別する方法は、
チューリング・テスト」と言われています。

ある機械が「知的」だとされるためには、
人間と話をさせた時に、機械だと気づかれないように会話が出来ないといけない、
と、コンピュータの父の1人、アラン・チューリングが提唱したんですね。
(abdmalさんのコメントで気付きました。逆ですね。
機械だと気づかれないように会話が出来れば、
その機械は知的だ、と提唱したんでした)

これは良く知られてるんで、内容で驚いたんじゃないんです。
驚いたのは、この文章が書かれた時期。


上の文章の出典は、ルネ・デカルトの『方法序説』。
1637年に書かれた本です。

1637年というと、望遠鏡でも珍しがられた時代。
パスカルの計算機もまだ作られてません。
大した機械があったとは思えないんですね。

そんな時代に、動物の動きは、機械でも真似が出来る、
と書いちゃってるのがすごいと思うんですね。
(「我思う、ゆえに我あり」なんかよりずっと)

さらに、人間の行動までも、機械で真似が出来るんじゃないか、
とデカルトは考えを進めたのですが、
最終的には、「知能」や「思考」を機械で真似する事は出来ない、
という結論に落ち着くわけです。

20世紀になって、
このテストを(恐らく)独自に考案したチューリングは逆に、
機械が知能を持つことは可能だ、と考えていたようです。


ここで皆さんに質問。

機械には、デカルトやチューリングの言うような意味で、
「知能」を持つことが出来ると思いますか?

つまり、人間と全く変わりなく会話が出来て、
学習する事も出来るようになると思いますか?

そして、そう思う理由はなんですか?(←これが一番大事な質問)
考えるに当たって、僕が一昨日書いた事を思い出してください。
当たり前のように思えることも、なぜそう思うのかってみる事です。

続き


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サイエンスとは何か?

「科学」、「サイエンス」と聞いて思い浮かぶ漢字はなんですか?

ちょっと考えてみてください。

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スーパーボウル(ネタバレ)

純粋にフットボールの試合としては、かなり良かったです。

でも、応援してるチームが無いとどうも盛り上がりませんね。
どっちも特に嫌いってわけでもないし。
全豪で燃え尽きちゃった感じもあって、
これといった感想が無いです(笑)

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決勝(ネタバレ)

前の記事には書かなかったんですが、
フェデラーとナダルの試合だと、自分はフェデラーを応援してます。

ナダルが出てくるまでは無敵の雰囲気だったのが、
強敵が出てきて応援できる選手になった感じです。
(ナダルも嫌いじゃないですよ。嫌いなのはジョコビッチだけです、笑)

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ジャンル : スポーツ

フェデラー×ナダル

あと3時間で全豪オープン決勝戦です。

ロジャー・フェデラー対ラファエル・ナダル、
それぞれのレベルの高さ、性格、プレースタイルのコントラスト、実力の拮抗具合でいって、
文句無しでスポーツの世界で今最大のライバル関係だと思いますが、
ちょっとおさらい。

フェデラーは、今回優勝すればメジャータイトル14個で、
ピート・サンプラスの記録に並びます。

ナダルは、ハードコートのメジャーで初めての決勝。
ここで勝つと、クレー、芝、ハードコート、全てのサーフェスでメジャーを制覇したことになります。
勝てばナンバー1の座も当分安泰です。

直接対決はナダルの12勝6敗ですが、(内訳
ナダルが得意のクレーコートで9勝1敗なのが大きいです。
ハードコートではフェデラーの3勝2敗。


ロジャー・フェデラーがロジャー・フェデラーになったのは、
2003年のウィンブルドンで優勝した時です。
その時点から、彼がどれだけ圧倒的に強かったのか、
ここ5年半の主な強豪選手と、この期間に対戦した時の成績を並べてみます。

8-0 アンドレ・アガシ
6-0 マルコス・バグダティス
3-0 ギジェルモ・コリア
7-2 ノヴァーク・ジョコビッチ
7-1 フアン・カルロス・フェレロ
11-1 フェルナンド・ゴンザレス
2-0 セバスチャン・グロジャン
12-1 レイトン・ヒューイット

2-5 アンディー・マレー
6-12 ラファエル・ナダル

10-5 ダビド・ナルバンディアン
12-2 アンディー・ロディック
6-1 マラト・サフィン
1-0 ジョー=ウィルフリード・ツォンガ


ナダルとマレー以外相手には勝ち越していて、
それもユース時代から苦手だったナルバンディアン以外には、大差をつけてます。


ナダルはどうかというと、

2-0 アンドレ・アガシ
5-0 マルコス・バグダティス
4-0 ギジェルモ・コリア
10-4 ノヴァーク・ジョコビッチ
12-6 ロジャー・フェデラー
6-2 フアン・カルロス・フェレロ
4-3 フェルナンド・ゴンザレス
3-0 セバスチャン・グロジャン

4-4 レイトン・ヒューイット
5-1 アンディー・マレー
0-2 ダビド・ナルバンディアン
4-2 アンディー・ロディック
1-0 マラト・サフィン
2-1 ジョー=ウィルフリード・ツォンガ


ナダルもナルバンディアンを苦手としてるのは面白いです(笑)

ヒューイット相手に苦戦しているのは、
ヒューイットもカウンターパンチャーだからでしょうね。
オフェンスに回らされるのが、ナダルは初めの頃は苦手でした。
ただ、最近はヒューイット相手にも3連勝してます。

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プロフィール

アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

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