fc2ブログ

硫黄島からの手紙

もうちょっとでオスカーの発表ですね。
どうなるでしょうか。
1週間経って、ちょっと記憶の薄れた部分もありますが、
観ての感想を(かなり勝手に)書いてみます。

大筋は歴史に沿ってるんで、
ネタバレもなにも無いですけど、
細かい部分は明かさないようにします。


全体の感想としては、
演技は日本人の役者がやってるにしても、
これだけ日本を深く理解した作品を
外国人が制作したって言うのはまず驚きです。

逆に言うと、これが日本人から出てこなかったのは寂しいと言うか...
でも、下に書くように、テーマ的に考えて仕方ないのかも。


脚本家のポール・ハギスは、
2年前オスカーを取った「クラッシュ」の監督をした人ですけど、
クラッシュの方は、個人的には詰め込みすぎの印象を受けました。

硫黄島からの手紙は、色んな要素を詰め込みながらも、
自然にストーリーと繋がっていく感じでした。
その辺は、イーストウッドのおかげかも。


テーマは、日本が負けた理由。
まぁ、始まった時点で負けは決まったようなものなので、
敗因と言うより、なぜあのように負けたのか、って言う理由です。

そして、そこで出てくる理由の数々が、
今の日本にも当てはまるところがあるんです。

もちろん、日本が将来あのような戦争を起こすことは、
ほぼありえないと言っていいです。
でも、戦争から負けた事で、学べる事を学んできたかと言うと、
この映画を観るとあやしくなってくるんです。


ここからは少しネタバレ気味になりますが、
本当に言いたい事もここからです。


映画の中のエピソードで浮き上がってきたのは、
日本人のこんな性質です。


悪習も含めて、ルーティンを重視する傾向。
そのため、変化や、批判を恐れる。

ルーティンが崩れるのが恐いので、
問題を見つけよう、と言う見方をしない。
もし問題が見つかっても、見てみないふりをしてしまう。

不満がある場合も、表向きに意見を戦わせるのではなく、
仲間と陰口を叩く事で解決した気になる。

みんなやっているから、と言って、
同じ事をして安心する。

外国(未知)のものに対して、
レッテルを貼って知った気分になるが、
本質を見ようとしない。


国民性とか言う言葉は、
逃げ道にもなると思うのであまり使いたくありません。
日本人全員がこういうわけでは当然ないし、
日本人以外にもこういう人はいます。

それでも、日本語を読める人間として、
外から日本を見ていると、
こういった傾向が今でも見えてくるんです。
全体として。


文化の違いだからしょうがない、と言う人もいるでしょう。
でも、文化って言う物は、数十年の期間でもコロコロと変わるものです。

40年前と今のアメリカ人全体を比べて、
人種への意識を比べればかなりまともになっているでしょう。
文化の問題でも、悪癖だと分かればある程度は直せるものなんです。

本当の問題は、第二次大戦の敗因が触れられる事がほとんど無い事。

靖国神社だとか、従軍慰安婦だとか、些細な問題ではないにしても、
日本で行われている第二次大戦についての論議は
ほとんどがただの口喧嘩で終わってるんです。


だからこそ、
この映画を撮ったのは外国人だったのかなぁ、と思うんです。
スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

プロフィール

アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

ブログ内検索
カレンダー
01 | 2007/02 | 03
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 - - -
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
リンク
RSSリンク
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター