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小さい世界

原子核に付いて書こうと思ったんですが、その前に、基礎の話。みんなにイメージだけでも知っておいて欲しい話です。科学については詳しい、と自覚しているような人には、つまらないかも知れません。

自分で絵を書こうとも思ったんですが、もっと良い絵があるので、使わせてもらいます。xkcdという理系オタク向けのコミックスから。描かれてるものを、全部暗記しようとかはしなくていいです。ネタも混じってますし。重要だと思う部分だけ、あとで説明するので、まずは眺めてみてください

"Depth"、深さ。

Depth

人間の大きさから、ずっと小さいものまで並んでるわけです。

正直、生き物でやって欲しかったんですが、これより上手く描く自信はないので我慢(笑)


上の方から順に。

1.人の大きさは、1~2mくらい。でもこの記事では、すごく小さい数の話をするので、桁以外は気にしない事にします。

というわけで1m


2. "Ovum"

人の卵子ですね。生き物はものすごい数の細胞から出来てますが、細胞の中でも大きい方です。

10-4m、0.1mmくらいの大きさです…という事は、肉眼で見えますよね?面白いなぁ。

人間の体の中には100兆個くらいの細胞があります。


3. "Bacteriophage"

これはウイルス。ウイルスには細胞がありませんが、遺伝子は備わっています。「頭」の部分に、DNAまたはRNAが入っているんですね。

10-8~10-7mの大きさ。10~100nmとも書けます。nm(ナノメートル)は、10億分の1m。

人間の遺伝情報が入った染色体も、大体同じ大きさです。


4. "Si, Si, Si…"

これは、コンピュータを拡大してるので、半導体のシリコン(ケイ素)の原子が並ぶ絵になってます。コンピュータ以外のものでもなんでも、拡大すれば原子で出来ていることが分かります。生き物を拡大した場合には、酸素、水素、炭素、窒素の原子が特に多く登場するはずです。

原子が集まり、1つの塊になっている物が分子で、単純なものでは、水(酸素原子1個と水素原子2個)や、二酸化炭素(酸素原子2個と炭素原子1個)などがありますね。DNAは、とても大きな分子で、数十億個の原子から出来ている場合もあります。

原子の大きさは、10-10mくらい。0.1nmです。

人間の体に含まれる原子の数は、28桁の数字になるくらい多いです。そんなに原子が小さいと思うのか、そんなに人間が大きいと思うのかは、視点の違いですね。


4. "Electron cloud"

1つ1つの原子が何で出来ているかというと、原子核の周りに電子(electron)があります。元素(原子の種類を決めるのは、(普段)その原子の中に電子が何個あるのか、です。

原子と原子がくっついて分子を作るのは、いくつかの原子の間で電子を交換したり、間に電子を置いたりした方が安定した状態になる事がある、という事です。化学という学問は主に、どういう場合にこれが起こるのか、という探求です。


5. "Silicon nucleus", "Proton"

一番下の方にあるのが、原子核(nucleus)。

原子核の大きさは、10-15mくらい。原子全体の10万分の1の大きさしかありません。原子核の大きさからすると、かなり遠くに電子があるという事です。

原子核は、陽子と中性子というもので出来ています。小さい小さい原子核ですが、原子の重さ(質量)のほとんどが、原子核に詰まっています。陽子と中性子は、どちらも電子の2000倍くらい重いからです。

陽子と電子は、静電力で引き合うようになっていて、ちょうど同じ数になると一番安定します。なので、原子の中にある陽子の数と、電子の数は一緒。原子の種類は、電子の数で決まると書きましたが、原子核の中にある陽子の数でも同じ答えになります。

中性子は、静電力には関わらないので、電子への影響も小さく、化学反応とはあまり関係がありません。ただ、重さは陽子とほぼ同じですし、原子核が安定するかどうかは、中性子の数に大きく左右されます

放射性物質と言って、ここ2ヶ月のニュースに出ている物質は、中性子の数が少な過ぎたり、多過ぎたりするために、原子核が不安定になっているものなんですね。(原子炉から出ているものは、中性子が多過ぎるものがほとんどです。)


もっと小さいものに付いて、絵に描かれていない事を少しだけ話すと、陽子や中性子も、クォークと呼ばれるさらに小さい粒子で出来ている事が分かっています。そして電子やクォークは、今のところ素粒子、つまりそれ以上分解できない粒子だと考えられています。どちらも、今は測れないほど小さいものです。大きさのない、点粒子だという可能性もあります。


大雑把な話だけでも、みんなに知っておいてほしいな、と思ったことです。大きい物の話もした方がいいかな?大きい物の絵もxkcdにあるんで。
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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

センター試験

ちょっと冷め気味の話題ですが、センター試験の問題を試しにやってみました。今年の問題と解答は検索すればすぐ出てきますね。


僕が大学を選ぼうとしている時には、すでにアメリカに4年ほど住んでいて、日本の大学に行くというオプションはほとんど考えていませんでした。そこで、もし日本で受験していたらどうなっていたんだろう、というのがちょっと気になったんです。理系で受験するという仮定で、どの科目を選ぶのがいいのかな、というところまで面白かったので考えてしまいました。意味無いんですけどね。


自慢話のようにはしたくないので、具体的な点数は伏せます。どうしても知りたい人がいたら、メールフォームで聞いてもらえればお返事を出すかもしれません。

まず、数学と物理では、高得点が取れました。英語も当然簡単。この3つは、日々使っているものなので、いくら点を取っても自慢になりません。国語は思っていたより点が取れました。分からない、分からない、と思いつつ答えた漢文は特に。

社会科は、地理の方が歴史よりずっと分かりました。理科は、生物はまあまあ、化学は悲惨(笑)


こうやって受けてみて思ったのは、やはり日本の大学は受けなくて良かったな、と。少なくとも、受けていたとしたら、受験勉強が苦痛だっただろうな、と。

アメリカの大学に入る際の共通試験は、SATとACTの2つ。この2つの違いの話は面倒になるんですが、両方について言えるのは、主に基礎的な思考力を測るテストだということ。

僕が受けた時のSATは、英語と数学のみ。今でも作文のセクションが加えられただけです。ACTには、Scientific Reasoning(科学的思考?)というセクションがありますが、これに含まれる質問は、ある実験に関するデータを与えられて、どのような結論が導けるのか、というもの。

丸暗記して得をするのは、英語のボキャブラリーくらいなんですね。フォーマットや、良くあるパターンに慣れる事である程度点数を上げることが出来ますが、基本的には試験勉強の効果がそれほど高くないテストです。アメリカの入学審査では、共通試験の点数の他に、高校の成績、課外活動、エッセイ、推薦状などの評価が加わるので、共通試験の試験勉強をするよりも、他で頑張る方が効率が良くなります。


センター試験はというと、暗記に頼る部分が大きいように見えました。大雑把に言ってしまうと、考える力を試すのではなく、どれだけ学んだのかを試す試験ですね。

特にそれが明らかだったのが、歴史です。

僕の考えとしては、学問で大事なのは「意味」です。歴史に含まれる意味は、過去の出来事の間にある因果関係。専門用語の定義や、誰々が何々をしたという記述だけでは単なるトリビアで、意味のある歴史ではありません。どういった背景からその出来事が起こったのか、そしてその出来事に影響されて、どういった事が他に起こったのか、というのを読み解いて初めて意味が現れるんですね。

そういう点で残念な問題がセンター試験の歴史にはかなり多くありました。問題を見てもらえれば、単なる事実関係を問う問題がすぐ見つかると思います。

地理にも、トリビア的な問題はあるんですが、基礎知識から類推できる問題が、歴史よりも多いように思いました。もちろんこれは、僕の知識の偏りかもしれません。


化学も、化学物質の名前から化学式が分からないと解けない問題や、化学反応を暗記していないと解けないような問題がいくつか。

水の化学式が分からないとか言うのはまずいですが、実際のところ、プロの化学者に聞いたらどれくらいの人が解けるんだろう、と思った問題もありました。(みんな解けたりして、笑)

理科での「意味」は、現象が起こる理由、原理、なので、大量に暗記していないと点が取れない試験というのは、どうも間違ったものを目指しているように思えるわけです。知識は増えますし(長期的にはどれくらい記憶に残っているのか分かりませんが)、目標に向けて努力する事は大事ですから、こういった試験に向けて勉強するのが全くの無駄とも思いません。ただ、おかしな基準で学力を測ってしまうのは、学問に対する姿勢を歪めてしまうのではないでしょうか。


トップレベルの大学の2次試験では、もっと良い問題が出てくるんでしょうね。時間が無いので見ていませんが。

結局何が言いたいかというと、センター試験の勉強をしないで良かったのはラッキーだったな、という事でした。親に感謝です。それだけか(笑)

テーマ : 大学受験
ジャンル : 学校・教育

選挙ゲーム

まず最初に、この記事は政治、選挙というプロセスについての学者的な興味から書いています。Twitterでも但し書きをしたんですが、今回の参議院選挙は在外投票し損ねましたし、この政党が絶対に良い、というような強い希望は持っていないので、結果について文句が言いたいとかいう話ではありません。

なので、できるだけ一般論になるようにしています。抽象的な話が苦手な人にはあまりオススメしません。


前回は、前提から全部疑ってかかろう、という話でしたが、今回はいくつかまず前提を決めてしまいます。

まず、民意を反映するのは良い事で、選挙の目的は出来るだけ正確に民意を反映する事だとします。

民意というのはこういうふうに定義します。有権者それぞれ、政党・候補者の評価を持っています(分かりやすく10点満点の評価としてもいいです)。この情報全てを、有権者全てについて集めた集合を、「民意」と呼びます。普通の意味での「1つのモノ」では無いのに注意。

民意をより正確に反映する、と言うのは、集められた情報の出来るだけ多くが、捨てられる事なく選挙結果に影響を及ぼす、という事とします。(少しグレーエリアがあるんですが、今回無視します)


まず、有権者1人が、実際の(日本の)選挙制度で投票する場合、どういった意見を1票に反映させているのか考えてみましょう。

前回の、kashさんのコメントへの返事で書いた事を少し言い換えます。投票する人が、投票する事で達成しようとしているのは、
1.自分の望んでいる選挙結果になる確率を高める(厳密に言うと、満足度の期待値を最大化する)
2.結果と関係なく、政治について自分の意見を表明する
という2つの事です。どちらかだけの人もいます。

まずは、単純な2番から。

自分の意見を表明する、という事だけが目的だとすると、投票する際に考慮しているのは、選挙区でどの候補が一番望ましいか、比例代表でどの政党が一番望ましいか、という情報だけです。


1番の場合は、もう少し複雑な判断が必要になります。

例えば、1人枠の選挙区の候補に、とても良いと思う人(Aさん)がいたとします。ですが、Aさんは世論調査では5%ほどの支持しか得ていません。当選する確率があるのは、他の候補2人(Bさん、Cさん)だけと見られています。選挙結果を自分にとってより好ましい方向に向かわせたい場合、Aさんに投票するのは賢明でしょうか?答えはNo、です。Aさんに投票してもしなくても、落選することはほぼ確実ですから。

この場合に考慮するべきなのは、BさんとCさんの間でどちらの方が良いのか。Aさんが一番いい、という事は票には現れません。

このように、結果を求めるために一番好ましいと考える選択をあえて避けるのを、戦略投票、といいます。今回の話の前提から言うと、出来れば無くなるようにしたい行動です。(情報が票に現れることもなく捨てられてしまうので)

比例代表の場合は、1票増えればその党の議席が増える確率が確かに増えるわけで(1議席も貰えないような政党でなければ)、この問題は大体のところ回避されます。大体のケースでは、死票が多い投票方式の方が、戦略投票をする人が増えます。選挙結果と関係無い選択肢が多いので、一番良いと思っていても避けないといけない、という人が多いわけです。


というわけで、Bさんがこの選挙区で当選した場合に反映された意見というのは、
1.Bさんが一番好ましい
2.BさんとCさんの間だと、Bさんの方がいい
という2つの意見です。

ここで気付いて欲しいのは、
1.誰が一番好ましいか
2.有力候補の間で誰が一番好ましいか
という2つの情報以外は全く票に反映されないという事です。


つまり、この候補・政党は絶対に嫌だ、というような積極的にネガティブな評価は、現行制度の選挙ではあまり結果に反映されないと言えます。大抵の場合、嫌っている人が多いということは、好んでいる人が少ないですから、これはあまり問題ではありません。

ですが、必ずしもそうとは言えません。例えば、有権者の30%は熱烈にサポートしているけれど、他の70%は絶対に嫌だと思っている候補がいた場合、単なる多数決では当選する可能性が十分あります。


どうやったら、有権者が望んでいない結果、というのを結果により反映できるようになるでしょうか。単純な多数決ではないので少し分かりづらい、というデメリットはありますが、解決策はあります。それは、候補の順位を投票する、選考投票というシステム。候補に、1番、2番、と好ましい順に順位を付けたものを投票するんですね。

順位を集計して、勝者を決める方式にはいくつかありますが、それなりに単純だと思われるのはinstant runoff voting(IRV)というもの。(Wikipedia

まず、候補それぞれが1位に指名された数を比較して、一番人気のなかった候補(Dさん)が落選します。ここで大事なのは、Dさんに入った票はまだ無効にはなりません。この票で2位に選ばれていた候補が、繰り上がりで1位の評価になるんです。

この繰り上げを行ったあと、また1位に指名された数を比較して、最下位の候補を除外。その人を選んでいた票は、次の順位に選んだ候補の票に。という風に繰り返して、最後に1人残った人が当選、という仕組みです。

…これだけで分かりづらかったら質問してください。


IRV方式の場合、30%の人が熱烈にサポートしているけれど、70%には嫌われている候補はどうなるでしょうか?

この候補は1位票が30%もあるので、除外されずに残り2、3人の所までは確実に進みます。でも、70%の票では、この候補は一番下にランクされています。という事は、残り2人の最終決戦の時に70%対30%で確実に負けるんです。


この投票方式は、戦略投票を避ける方策にもなります。

単純多数決の選挙では、Cさんが一番好きだけど、当選しないと思うから入れない、と言う人が出る話をしました。選考投票の場合、当選する確率が低くても、Cさんを1位にして損はありません。Cさんが当選しなくても、繰り上がりで次に良い人の票、その次に良い人の票、として効くので、死票にならないんです。


この制度がいきなり日本の国政で導入される可能性は小さいと思いますが、メリット・デメリットを考慮するだけの価値はあると思います。どうでしょうか?Wikipediaの記事を見れば分かるように、海外には導入されている場所がいくつかあります。

テーマ : 選挙
ジャンル : 政治・経済

マイクロクライメイト

ベイエリアの天気予報を見ると、近所なのに全然天気が違う、ということが往々にしてあります。

参考に、サンフランシスコ・クロニクル紙の天気ページ→リンク。Bay Area Forecastと書いてあるところで、ベイエリア各都市の最高気温、最低気温が見られます。(温度の単位が華氏ですいません…って自分が謝る事じゃないか)

例えば、明日のサンフランシスコの最高気温は華氏63度(17℃)。

サンフランシスコ湾の反対(東)側、オークランドの最高気温は華氏72度(22℃)。

湾の南側のサンノゼでは華氏79度(26℃)です。

半径100kmも無い範囲で、標高に大した差はありません。


何でこういう事が起きるかというと、起伏の激しい地形と海、そしてその地形に影響される風の関係なんですが、実際どういう風にこのパターンが現れるのか、とても気になります。日によって全然違うというわけでもなく、大抵サンフランシスコが一番涼しく、サンノゼなどのサウスベイが一番暖かいんですね。

近くのナパバレーがワイン産地なのも、その場所特有の気候のおかげなので、ベイエリアの微気候に付いては色々と研究されているものと思われます。どこで調べれば出て来るかなぁ?(というかまだ調べてないだけ)

テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

ソマリア

アフリカの年といえば、1960年。

アフリカにあった17の植民地が独立した年です。(Wikipedia

その50周年という事で、今年は独立50周年を祝うアフリカの国がいくつもある事になります。


7月1日に独立記念日を祝ったのが、ソマリア。

最近ではソマリアと言えば、海賊、となってしまいましたね。数多くある部族の間での内戦が続き、政府の力が弱い国です。


来月フィジーに行く予定なのもあって、最近考えていることの1つに、政治の安定性と経済的発展があります。

クーデターなど無しに政権が平和的に明け渡されるシステムや、どういった場合には確立されて、どういった場合には成り立たないのか。一度不安定だった地域が、安定するケース、その逆のケースには、どういうパターンがあるのか。賄賂などの政治腐敗は、どのようにすれば減っていくのか。こういった要素が、途上国の経済発展にどれだけ影響を持っているのか。

現時点ではぼんやりと考えているだけなので、書ける話があるわけでもないんですが。


ソマリアの場合、70年代前半には、独裁政権とは言えそれなりに安定した政府があり、BBCの記事を見る限りでは、比較的水準の高い生活をすることが出来たようなんですね。それが内戦の勃発で終わった、と言うんですが、どうもそう一言でまとめられるシンプルなストーリーではなさそうです。

系統だった情報を見てみたいところです。


ソマリアといえば、もう1つ思い付くのが、ヒップホップアーティストのケイナーン。ソマリア生まれで、13歳の時にカナダに移住した人です。ワールドカップのテーマソングを歌ってます。(FIFAのじゃなくて、コカ・コーラのだけど)

コカ・コーラのバージョンは正直ダサイので、元の曲を↓


でも、この方がいい曲。

ソマリアにいた小さい頃、好きだった女の子が殺されてしまったことを歌っています。事実かどうかは知りませんが。

テーマ : アフリカ
ジャンル : 海外情報

前回の答え

まだ見てなかったら、問題からどうぞ。

ケースAは、記事の中に大ヒントが入っていましたね。

上の子&下の子の性別の組み合わせは、男&男、男&女、女&男、女&女の4通りで、それぞれの確率が1/4です。

1人は息子だと分かった時点で女&女の可能性が除外されるので、男&男、男&女、女&男がそれぞれ1/3の確率。つまり、2人とも息子の確率は1/3になります。


ケースBの方は、問題記事のコメント欄にある、ハルオさんのコメントが正解です。


性別と生まれた曜日の組み合わせには、14通りあります。

子供の少なくとも1人が火曜生まれの男と分かった時点で、上の子供と下の子供の組み合わせで可能なのは、以下の通り:
男火&女(7通り)
女&男火(7通り)
男火&男(7通り)
男&男火(7通り)
ただこれでは、2人とも火曜生まれの息子だった場合が2回カウントされています。なので、2人とも息子の組み合わせは7+7-1=13通り。片方だけが息子の組み合わせは14通り。

13/27が答え、という事です。


まず不思議なのは、「もう片方は男か女で、それは半々の確率のはずだから1/2」というのがなぜ間違っているのか。もう1つは、なんで曜日が分かっただけで確率が変わるのか。

実はこの2つ、深い繋がりがあります。


もし、この人の息子を1人、すでにあなたが知っていたとしたらどうでしょう?

その場合は、「もう片方は男か女で、それは半々の確率のはずだから1/2」で合っているんです。これは、もう個人が特定出来ていて、子供2人ともが同じ特徴を持っている可能性が無いからです。


そう、情報が増えると個人を特定出来る、というのがこの問題の本質。

ケースBの計算を見ると、2人とも火曜生まれの息子だという可能性がある事から、最終的な確率が1/2とは少しだけ違ってしまいます。2人とも条件を満たす確率が低ければ低いほど、答えは1/2に近づくわけです。

生まれた日の曜日は、性別とは全く関係無いわけですが、個人を特定するためには有用な情報です。だから確率が変わってくる、ということなんですね。


ところで、この問題を単純な確率の問題として扱うために、いくつか前提がありました。

1.男と女の生まれる確率は半々
2.曜日によって子供が生まれる確率は一緒(どれも1/7)
3.2人目の子供の性別と生まれた曜日は、1人目の性別と曜日とは関係がない

実は、どれも厳密に言うと正しくはないんです(笑)


まず、統計上、出生時の男女比は男の方が少し多いようですね。

曜日の方は調べていないんですが、産婦人科の都合にいくらか左右されるはずなので、どの日も1/7という事はまずないと思います。特に帝王切開の場合には、多い曜日、少ない曜日と言うのが確実にあるでしょう。産婦人科を無視しても、母親のやっている事が曜日によって違うのなら、生まれやすい日、生まれにくい日というのが出てきてもおかしくありません。


でも、3つ目が一番面白い。

男女の産み分けについては、俗説が沢山あるようですが、人によって、場合によって、男に偏る事、女に偏る事、というのは確かにあるようなんですね。それがどういう場合か、というのはまだ調べ途中なんですが…

男を産みやすい、女を産みやすい、というのが親の遺伝情報に組み込まれている場合に一番興味があります。なぜかというと、これは遺伝子が取っている戦略だから。どういった戦略が進化の過程で生き延びるのか、というのは面白い疑問だと思うんですね。


最後に、変な例。

一人っ子政策で、2人目を産んでいいのは最初の子供が女の子だった親だけ、という場合。

「2人子供がいる。息子はいるよ」と言っている人の子供両方が男の子の確率は?

これは簡単。ゼロですね。

テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

確率の問題

モンティー・ホール問題みたいな、結構いいネタが拾えました。


誰かが、「僕には子どもが2人いる」と言った場合、その人の子供が両方男の子の可能性はいくらでしょう?

1人目と2人目をちゃんと区別して考えると、男&男、男&女、女&男、女&女の4通りの組み合わせがあるので、4分の1です。


その人に、男の子はいますか?と聞いてみると、

ケースA
「いますよ」と返事が来た場合、2人とも男の子の可能性はいくらでしょうか?

気をつけて。もう片方が男の確率は2分の1だから2分の1、っていうのは間違いですよ。


ケースB
「火曜日生まれの息子がいるんです」という返事が来た場合、2人とも男の子の可能性はいくらでしょうか?

これも2分の1じゃないです。さらに驚くべき事に、ケースAとも違う答えなんです。


どうでしょう?ちょっとややこしい問題かも知れません。

テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

マーティン・ガードナー

マーテイン・ガードナーが亡くなりました。1956年から1981年まで、パズルなどを通じて数学の面白さを伝えるコラム"Mathematical Games"(「数学ゲーム」)をアメリカの科学雑誌Scientific Americanに連載していた人です。95歳でした。(New York Timesの訃報

日本での知名度はどうなんでしょう?彼のコラムは日経サイエンスに連載されていたようです。

Martin Gardner

81年までしか連載していなかった上に、SciAmを購読していたことも無い自分がなぜ知っているかと言うと、まずは親が彼の本を何冊か持っていたんですね。1つは、パラドックスをテーマにして彼のコラムを集めたもので、楽しく読んだ記憶があります。

ガードナーの本で初めて出会ったパラドックスには、例えばこういうのがあります。(ヒルベルトの無限ホテルという有名なものです)

ある所に、無限に部屋のあるホテルがありました。部屋には、1,2,3と番号が付けられていて、これが永遠に続くんです。

ある日、客が1人現れたのですが、あいにく満室。でも、ホテルのオーナーには対策がありました。部屋を借りている人それぞれに、元の部屋より番号が1つ大きい部屋に移ってもらったんです。こうすると1番の部屋が空くので、新しいお客さんに1番の部屋を貸すことができました。

客が5人、10人、100人と来ても、その数だけ他の客に動いてもらえれば、空き室が作れるわけです。


それがある日、無限大の新客が同時に現れました。どうすればいいのでしょう?

オーナーは、すでにいる客達に、元の部屋の番号の2倍の数字が付いた部屋に移ってもらいました。こうすると、偶数番号の部屋は満室ですが、奇数番号の部屋は全部空っぽです。奇数の数は無限大なので、新客全員に空室を割り当てることが出来ました。

部屋の数が有限だと出来ないはずの事が、無限になると出来てしまう、というのがパラドックスなんですね。

もっと詳しく読みたい人は、ゲオルク・カントールの話が出てくる一般向けの数学の本を探してみて下さい。


ガードナーを僕が知っていたもう1つの理由は、彼が"Mathematical Games"連載を辞めた後、次の連載をはじめたのが、主にAI研究をしているダグラス・ホフスタッターだったんです。ホフスタッターのコラムは、"Metamagical Themas"という題。意味としては「超魔法的テーマ」。これはMathematical Gamesの文字を並び替えたもの、アナグラムです。

"Metamagical Themas"の話を伯父に聞いて、このコラムを集めた本を読んでみたんです。少し当時の自分には難しかったですが、面白さはなんとなく伝わりました。この中でもガードナーの話が出てきて、色々と知ることが出来ました。


ガードナーは実は、本職の数学者ではなく、大学で数学を勉強したわけでもなかったんです。それでも、数学の楽しさを素人に伝えるための情熱や、理解力、説明力というのはありあまるほど持っていました。彼に代わるような人はまだ出てきていない、とも言われています。

テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

理数系の芸術性

一般に、数学や科学はおカタイ学問という事になってますが、これほど本質を捉えていない話もなかなか無いです。


科学の発見というのは、数々の実験と観測の結果から、パターンを見出して、全てを説明できる説を思いつく事。今まで誰も考えつかなかった事を考える事です。創造性とはこういうものだ、という例に使えるような活動です。

数学は、個人的には芸術の1つとして捉えています。エレガントな証明には、結晶のような美しさがあります。純粋数学というのは、役に立つかどうかとは全く別の価値観を持った世界。詩の分からない自分が言うのもなんですが、数学の美しさを感じ取れない人がいるのを思うともったいないな、と思います。


それが、なんでおカタイというイメージになるかと言うと、答えが1つしか無い→融通が利かない、という事なんでしょうね。

確かに、論理的に矛盾があったり、自然現象にそぐわない話は、間違っていると言って排除されてしまいます。空想するのはいいけれど、それを検証しなければ科学にはならない、とは以前書きました

ただこれは、俳句は五七五じゃないといけないと言うような制約に過ぎない、と思うんですね。芸術にも制約がある事はあって、むしろその制約の中でどうやって表現するのか、というのが面白さの1つだったりします。

学校で教わる科学、数学というのが、すでに知られている結果を事実として学ぶ教科になってしまっているのも、間違ったイメージの元でしょう。公式を暗記しているだけで数学や物理ができているように思っている人を見ると、これはもう悲しいとしか言えないです。


数学の美しさについては、古典と言っていい本があります。20世紀初頭のイギリスの数学者G.H.ハーディの「ある数学者の生涯と弁明」(A Mathematician's Apology)。

原書は、とてつもなくキレイな文章で書かれています。詩的な意味じゃなくて(それは前回書いたように良さが分からないので)、分かりやすく、論点から目を逸らすような無駄な寄り道をしないと言う意味で。

A Mathematician's Apology (Canto)A Mathematician's Apology (Canto)
(1992/01/31)
G. H. Hardy

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ある数学者の生涯と弁明 (シュプリンガー数学クラブ)ある数学者の生涯と弁明 (シュプリンガー数学クラブ)
(1994/10)
G.H. ハーディC.P. スノー

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科学についても、クリエイティブな部分を強調した本はもちろんあるんですが、ハーディと並べて語れるようなものは残念ながら知りません。


ハーディの本には、チェスのようなゲームの芸術性についても一言書いてあります。

チェスにハマったことがあり、今は囲碁にハマっている自分としても思うところがあります。勝ち負けにはもちろんこだわりがあるんだけれど、それよりも、キレイな手を打ちたいんですね。

最初はびっくりするかも知れないけれど、じっくり見てみると必然性のある好手。チェスや囲碁のように良く出来たゲームでは、最善手と言うのは大抵そういうものになるのだと経験上感じています。

ハーディが言うには、チェスは数学の一部なんですね。それは正しいんですが、説明すると長くなりそうなので、この辺は実際に読んでみて下さい。

テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

言葉

何年もブログを書いてきて、今更言うのもなんなんですが、言葉、って苦手なんです。

自分にとっての言葉は、単に、何かを他の人に伝えるための道具。文章が、良い文章なのか悪い文章なのかは、書かれている事が伝わりやすいかどうか、だけで判断されます。

でも、言葉ってそれだけじゃないんですよね。例えば詩なんていうのは、分かりやすくするのが目的じゃなくて、特定の言葉、言葉の組み合わせを選ぶ事自体で、表現をしているわけです。小説でもなんでも、文学作品なら多少はその傾向があります。苦手、というのは、この発想が自分の中からはなかなか出てこないということ。


同じ理由で、歌詞、も苦手です。

歌を聴いているときは大抵、声は単に音として聴いています。たまに、この歌詞はいいな、または酷いな(笑)、とふと気付いたりしますが、気付かなければ単にもう1つの楽器として聴くだけ。

だから、外国語の歌でも全く気になりませんし、自分の好きな歌手というのは、声が綺麗な人や、(音として)面白い歌い方をする人。


人の言葉を引用するなんて言うのも、とても出来たものではないです。言葉を読んだり聞いたりした時点で、表されている概念に脳内で変換されているので、どの言葉がどういう順番で使われていたのかなんて忘れてしまうんですね。


もっと詩的な表現などを、理解出来るように、使えるようになりたいなとは思ったりもしますが、頭の構造的にどうも難しいようです。鍛えようと思っても、躓いてばかりですからね。あまり楽しいとは言えないです。壁を通り抜けて、楽しめるようになるという保証もありませんし。

でも、芸術が分からない、とかいう話ではないですから。ブログを読んでくれている方なら知っていることですが、音楽や絵画は好きなんです。

だから、言葉だけはドライな方に特化してしまって、勝手にそっちで楽しんでいた方がいいのかも、という結論になるのかな。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

アシュリー

Author:アシュリー
カリフォルニア州バークリー在住、元スポーツジャンキーのアシュリーです。

今観るスポーツは、アーセナル(サッカー)とグリズリーズ(バスケ)、あとテニス。

専門の物理ネタ以外にも、色々書いていくつもりです。

Twitterをハンドル名Inoueianでやっています。

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